西野朗(日本代表監督)
「今日は通訳機がないので安心して喋れます。
途中で帰国することになりましたがチャーター機を使わせて頂きました。ありがたく思います。選手23人全員が重大な怪我もなくクラブに戻せることにも安心しています。
一部選手からは、協会から休みを与えるよう伝えてくれと言われています。所属クラブには調整していただければと思います。
5月21日からワールドカップに向けて最終調整に入り、監督としては46日活動させていただきました。
ブラジル大会から4年、色々な思いを持ってロシアへ行こう、日本サッカーのために成長したいという思いで入っていく。私自身が同じピッチに立つと、その思いは全く違いました。
選手たちロシアに向かう意識が、非常に高いものがありました。その強い気持ちなしでは勝つことはできませんでした。
前監督の財産があり、さらに本大会でできることを探りながら、本当に素晴らしいサッカーを披露してくれたと思います。
結果は1つしか勝てませんでしたが、ワールドカップでの1ポイント、1ゴール、1プレーというのが本当に厳しいということ。
私自身も初めての経験で、グループステージを突破すること、そしてノックアウトステージで勝ち上がることの本当の厳しさを知らされました。そういう感覚を持ち合わせていなかったということもあります。しかし、選手たちは本当に逞しく戦ってくれました。
携わってくれたスタッフには感謝したいと思います。
現場のコーチングスタッフ、サポーティングスタッフはもちろん、国内で、ロシアで、オーストリアでベストな環境を作ってくれたたくさんのスタッフに感謝したい。国民の皆さんの後押しを感じながら戦うことができました。
残念ながら途中で帰ることになりましたが…8年周期でベスト16にチャレンジしてという、そのスパンではダメだと思います。
次のカタールでまちがいなくベスト16を突破できる、その段階にはある。必ず4年後、選手たちが成し遂げられる状況に繋げた…という成果だけは感じたいと思います。
本当にこの場をお借りしてお礼を申し上げなければならないんですけれども。選手たちのこれからの活躍、躍進に期待したいと思っています。
メディアの皆さんからも非常に厳しい意見、評価をしていただきましたが、それも大いに糧になりましたので、これからも厳しい目でサムライブルーを見ていただくことも大事かなと思います。本当にありがとうございました」
日本代表帰国会見、全文書き起こし(その1)『8年周期ではダメ』
Text by 石井彰(編集部)
カズに憧れて全身赤のスーツを買ったことで校内一の人気者になったが、中身が伴わず一発屋で終わったというエピソードを持つ島根県出身のエディター。その影響か赤いチームを好み、ヴァランシエンヌ、レイションエス、ノッティンガム・フォレストなどを応援している。
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