監督を決める際に、そして日本サッカーの方向性を決める際、『属人的』であってはならない。ある監督が来て、その大会が終わって下がり、またそこから歩み始める。それでは上がっていけない。
トルシエ監督、ジーコさん、ザッケローニさん、オシムさん、岡田さん、ハリルホジッチさん。そういう方たちを継続できたものを積み重ねて今がある。
西野さんもハリルホジッチさんの技術委員長として務める中で積み上げたものを発揮して成績を残しました。もちろんベスト8には入れませんでしたが、素晴らしい試合をしたのも事実です。
これを共有するという意味では、育成年代にベクトルを合わせていかないと、方向性がズレてしまう。
我々は世界を分析し、日本人の良さを伸ばすことにより、推進力をより高いものにしていきたい。
三位一体、そして普及を通して底上げをしっかりしていく。それが整っていなければ、代表チームだけで強くなることはない。そして育成年代をしっかりやるためには、指導者も育てていかなければならない。改めて思っております。
ジャパンズウェイの確立は属人的なシステムではありません。三位一体の強化をしっかりやっていくこと。
90年代には謙虚に学び、世界に追いつけ追い越せでやってきました。それだけではなく、日本人の誇りを胸に戦う、これは『どちらか』じゃないんだと。両方ともやっていくことがジャパンズウェイだと考えています。
そのためには、西野委員長時代にも考えていたことですが、『日本のサッカーとシステムを熟知した人が監督になるのがふさわしい』と考えてきました。
Jリーグが始まって25年、ワールドカップに6大会出ています。日本の環境で育った方に監督をしていただくのが望ましいのではないかというのは、W杯を分析した上で、関塚委員長の下でも同じ方向性が出されました。
その中で我々は新しい監督を決めました。このようなロッカールームのこと、ピッチの中でも外でもやってきたジャパンズウェイだと確信しています。そういったものを我々は今後も継続し、推進していきたいと思っています」
「属人的なシステムでは成長しない」田嶋幸三会長、会見全文書き起こし
Text by 石井彰(編集部)
カズに憧れて全身赤のスーツを買ったことで校内一の人気者になったが、中身が伴わず一発屋で終わったというエピソードを持つ島根県出身のエディター。その影響か赤いチームを好み、ヴァランシエンヌ、レイションエス、ノッティンガム・フォレストなどを応援している。
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