━━プロになってからはどうですか?

能登
となると、インドネシアでエッシェンとガチガチのバトルをやった時にも感じましたね。なかなかあのクラスの対戦する機会はないですが、落ちているとは言え、やっぱり、「エッシェンはエッシェン」でした。

━━「腐ってもエッシェン」ということですね。

能登
そう、「腐ってもエッシェン」でした(笑)

危ない場面で肘入れて止めたんですが、「クレバーだね」って褒めてもらえて、それでユニフォームも交換してもらいました。彼との対戦は嬉しい経験でしたね。

━━ゾーンについてはいかがでしょうか?

能登
僕は19歳の時にめちゃめちゃゾーンに入っていたんですよ。

岩政
ほう、19歳で?

能登
給料払われずにお金がなくて、ペペロンチーノしか食べれない頃です。体はガリガリでコンディションも良い状態ではなかったと思いますが、たぶん、あの時は目の色が違ってましたね。

当時は「サッカーで死んだら自分は死ぬ」という覚悟でやっていて、改めて思い返してみても、あの時の自分は何かが違っていたような気がします。

岩政
ゾーンって面白いもので、色々なことをやっている時期には入れないんですよね。「自分はこれしかない、ここしかない」と思える時じゃないと。

だから、彼の言う、「生き残れないと死ぬかもしれない」という感覚はまさしくで、そういう感覚に入るレベルに入っていくためには「一筋」で挑まないとダメだと思います。周りの情報とかも遮断して、自分の世界に入るというか。

能登
「禅」に近い感覚ですね。

━━世界のトップレベルはそのゾーンに自然に入っていきやすいのかと思いますが、その理由は「ゾーンに入りやすい環境でプレーしているからこそ」ということもあるかもしれませんね。

能登
本当にトップレベルになってくると、色々なプレッシャーがって、その圧力も計り知れないものだと思うんですよね。メディアもそうだし、サポーターもそうだし、試合でもスタジアムの空気感が違うでしょうから。