━━それで、経歴を見ると、次の所属が京都紫光サッカークラブとなっているわけですね。その後、すぐに日本を離れてアジアが主戦場となりますが。

そうですね。帰国したタイミングで、次の移籍先にアジアを考えるようにしました。

それまではお金のことを考えることなく海外でプレーしてきましたが、それなりに考えなくてはならない状況になったので、「どこの国がいいか」の情報収集から始めました。

ただ、当時の僕はどうやってパイプを作っていくのかもわからなかったので、様々な人の伝手を頼りにしましたね。日本でお世話になっていた方からベトナムのダナンを紹介して頂き、実際に現地にも行きました。

ところが行ってみたものの、クラブは僕のことを全然把握していなかったみたいで、「誰だ、こいつは?」みたいな扱いを受けたんですけどね(笑)

なので、一人だけ練習着を貸してもらえなかった状態だったんですが、なんとか紅白戦に出させてもらったらそのプレーを評価されて、クラブから「すぐに荷物をまとめて来い」と褒めてもらって、ホテルの手配までしてくれました。さらに夕食も案内してくれたりで、今までにない経験だったので「アジアでは外国人選手ってこんなに待遇いいんだ」と衝撃を受けましたね(笑)

でも、そんな「おもてなし」を受けたにもかかわらず、実はクラブは僕をプロ選手として獲る気がなかったんですよね…。現地でブラジル人選手を連れてきた方から聞いたんですが…。

本当のことはわかりませんが、今となっては、自分の中途半端な意思表示のせいで紹介してくれた人にも迷惑を掛けてしまったなと思っています。

━━それで結局、ベトナムへの移籍の可能性はなくなったと。

そうですね。それからはそのブラジル人を連れてきた方を頼りにして、タイへの移籍を目指しました。

結局、タイではあるクラブと良い所までは行ったんですが、結局、契約には至らずで、また振り出しに戻りました。