サッカー選手が自らの実力を証明するのはピッチ上でのプレーのみである。

しかしながら、スタジアムあるいはテレビの前で応援するファンにとって、不思議なことに着こなしやスパイクの色、また髪型などにより、その映り方は変わって見えることがあるものである。

そこで今回は、その個性的な髪型によって「より神格化」された印象のある5名のサッカー選手を特集してみよう。

ロベルト・バッジョ(イタリア)

イタリア人が敬愛するバッジョは、その天才的なテクニックとおよそ常人では考え付かない独創性で“ファンタジスタ”の代名詞となった。

彼は記録以上に記憶に残る選手と言える。それを決定的なものにしたのがブラジル代表に敗れて準優勝に終わった1994年ワールドカップ決勝でのPK失敗だろう。

天高く外しその場に立ち尽くす「10番」の姿はサッカー史に残る名場面だったが、後頭部に束ねた独特の髪型がより陰影を与えることになった。

デイヴィッド・ベッカム(イングランド)

選手としては堅実なタイプだったベッカムだが、その端正な顔立ち、そして個性的な髪型によって自らを華々しくブランディングすることに成功した。

特に2002年頃には、頭頂部の両サイドを薄めに刈り込んだソフトモヒカンで話題に。当時、日韓ワールドカップが開催されたこともあって日本中に“ベッカムフィーバー”が巻き起こり、街には彼の髪型を模した者が続出した。

昨今、サラリーマンがソフトモヒカンにすることも珍しくなくなった。このちょっと奇抜な髪型が世間に受け入れられるようになったのも、彼の影響によるものといって過言ではないだろう。