――沖縄SVの試合で印象に残っている出来事などはありますか?
沖縄県1部リーグに所属していた時、一つ上の九州リーグ参戦をかけて各県の代表が集まる決勝大会がありました。それを前にした1部リーグの会議で、「気持ちですけど遠征費の足しにしてください」と当時の1部リーグ所属全チームからカンパを受けたんです。
我々は当時、半分プロ・半分アマチュアで、リーグでは相当厳しくやっていたので嫌われていてもおかしくないと思っていました。敵チームだった皆さんから「自分たちの分まで頑張ってください」と言っていただいたのは感激しましたね。
結果としても無事優勝して九州リーグへ昇格することができました。
沖縄県はサッカーの競技者人口自体は結構多いんです。人口比率で、男子が7位、女子が3位。「競技者からも応援されるようなチーム作りをしないといけない」とその時改めて思いました。
宮崎P――九州リーグの場合でも沖縄はやはり移動コストがかかるイメージです。そのあたりはどうでしょうか?
そこはどうしてもかかりますね。九州リーグでも他のチームは日帰りで試合を行うことが多いのですが、我々の場合はベストコンディションで試合に臨むことを重視しているので、前泊を基本としています。だから交通費に加えて宿泊代もかかります。
宮崎P――同じ県内のFC琉球と試合することは?
トップチーム同士は年に何度か練習試合を行っています。やはり平日に試合ができるのは県内にこの2チームしかないですから。
宮崎P――このインタビューの前に、沖縄SVの“聖地”とも言える「沖縄そば まるやす」へ伺いました。地元との関係性という意味でそういったお店とのかかわりなど今後考えているビジョンはありますか?
地元という観点で言えばお店に限らずなんですが、クラブのコンセプトが「地域密着」「地方創生」なので、どれだけ地域の方を巻き込んでいけるか。ただ応援してくださいではなく、どうやったらWin-Winの関係になることができるかは常に頭の中にあります。
今取り組んでいるコーヒー事業もそうですし、伝統工芸やもろみ酢など何かを作って販売することもそうです。何らかの形でWin-Winの関係になるよう、地域だけでなく生活にも密着したクラブになりたいと思っています。
宮崎P――国仲さんの中でクラブの3年後や5年後のビジョンってありますか?
ありきたりですけど、天候にも勝敗にも左右されず、たくさんの方が見に来て、応援していただけるチームであってほしいと思います。アカデミーもそうですし、スポンサーもそうです。
もっともっと沖縄の方の生活に密着したチームになりたいです。何でもいいんですが、たとえば沖縄SVのエコバッグを持って買い物をしていたり、ロゴ入りのタンブラーを持って仕事をしていたり。
身近に沖縄SVのものを身に着けている人があふれているようになっていければいいなと思います。
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