アメリカで白人警官が黒人男性を死亡させた事件は現地で大きな物議を醸している。そうしたなか、メキシコでは警官が16歳の少年を銃撃して死亡させるという事件があった。
『EL PAÍS』によれば、南東部のオアハカ州で事件は起きたという。
自宅でピザを食べるつもりだった16歳のアレクサンデルくんは友人とともにジュースを買いに出かけたところ、警官から頭を銃撃されて死亡。当局は犯罪者と誤認した説明しているという(メキシコではまず発砲してから捜査するとも)。
「ガソリンスタンドでソーダを購入していた際に発砲され、2人は怖くなって(バイクで)逃げた」、「警察は、止まったり、マスクをとったりする選択肢を2人に与えなかった。ただ単に発砲し始め、頭を撃った。警察が応急処置をしたがらなかったので、彼はすぐに死んだ」と従弟は話している。
モンテレイの下部組織に所属していた彼はサッカー選手になるのが夢だったそう。そんなアレクサンデルくんを弔うために友人たちが彼の棺で行った行為が話題になっている。
そのシーンがこちら。
彼の棺にサッカーボールを蹴り当て、みんなで歓喜してからの号泣…。
棺にボールを蹴り当てるのには一瞬驚くが、これは彼に“最期のゴール”を決めてもらうという意味が込められている。
メキシコではマスクをしていなかったとして警察に拘束された建設労働者が翌日に死亡する事件もあったようで、警察の暴力に対する抗議も起きているそう。
彼の母親は「息子は悪ではなかった、喫煙も飲酒もしなかった。彼には夢があった。やつらがそれを切り捨てた。皆には立ち去るのではなく立ち上がって欲しい」などと訴え、クラブも「我々に平和と安全を与えるべき警察当局が我が生徒から命とプロになるという夢を奪った」との声明を出したという。