――これだけサッカーをしない日々は人生の中で初めてだったと思います。

サッカーがなくなった途端、自分は何ができるのだろうと無力さをすごく感じました。

――テレビのサッカー番組に出演されていましたね。

そちらの露出はすごく多かったです(笑)。でもそこでサッカー選手としての気持ちを保てていた部分もありました。SNSなどもそうですね。

――今シーズン、川崎フロンターレは戦い方がガラッと変わりました。プレーヤーとしてはどのようにとらえていますか?

今年は攻守においてよりアグレッシブなサッカーになりました。走りの強度が上がりましたし運動量も増えました。

もちろん判断があっての運動量で、頭を切らさないよう90分プレーしなければならないので頭も体も疲れますね。

――サイドバックとして気をつけていることは?

全体が見えるポジションなので相手の出方や変化を見るよう心がけています。

――登里選手はキャリアの途中からサイドバックで出場することが多くなりました。参考にされた選手はいましたか?

もともとはドリブルでガンガン仕掛けるタイプのアタッカーで、チーム事情もあってサイドバックへ移りました。

手探りの中、ポジションは全然違うんですが、中村憲剛選手にアドバイスを聞いたり話をしたりしながら自分なりに噛み砕いて積み上げていった感じですね。

――なるほど。出し手・受け手のところで試合中、様々なことを考えてプレーされているのを見ていても感じます。

そうなんです。バラエティー番組でふざけたりしていますが、意外に(笑)。

自分の中では今それがすごく楽しいです。昔は1対1での勝負などにこだわっていましたけど、今は相手の変化を見ながらプレーしています。

前は前で楽しかったですが、今はもっと深い楽しみを感じられていて、より充実した気持ちでサッカーができています。

――昨シーズンは右サイドバックでもかなり出場されていました。右と左では感覚が全然違いますよね?

全然違いますね。対応の仕方なども違って、右で出場した次の日は変なところが筋肉痛になっていたりしました。