開幕から苦しんでいる理由は……

冒頭でも触れた通り、今季の鹿島は開幕4連敗スタートを喫し、第6節終了時点で1勝5敗の17位に沈んでいる。開幕から大いに苦しんでいる理由は、「大胆なスタイルチェンジ」にほかならない。

これまでの鹿島は、絶対的な戦術がないチーム作りを主としてきた。

オーソドックスな「4-4-2」をベースに、選手たちが戦況と時間帯に応じて最善のプレーを臨機応変に選択する。何よりも勝利が第一にあり、セットプレーからの1発をしたたかに守り勝ち切るスタイルが伝統だった。

絶対的な戦術がないにもかかわらず、数々のタイトルを獲得できてきたのは、ひとえに「選手たちのタレント力」と「チームカラーに合った選手/指導者を見極めるフロントの発掘力」があったからだ。

監督交代があっても、“戦況と時間帯に応じて最善のプレーを臨機応変に選択できる“選手たちがチームを支えているから、タイトル争いに絡むことができていた。

しかし近年は、その風向きに変化の兆しがあった。