堅守に加えて攻撃力も

今季の名古屋が好調な理由としてはまず、「堅守」が挙げられる。

昨季途中から指揮を執るフィッカデンティ監督は、緻密な守備戦術をチームに植え付ける手腕に定評があり、選手間の距離感が良い守備ブロックを名古屋でも構築。1試合消化が少ないとはいえ、9節終了時点での総失点7はリーグ4位の成績だ。

守備面の評価が高いフィッカデンティ監督だが、これまでJリーグで率いた2クラブでは、攻撃力に乏しいという一面があった。

FC東京とサガン鳥栖では「4-3-1-2」を軸とした手堅いサッカーを披露する一方、攻撃は個人技頼みの印象が拭えず、組織的な崩しを構築できていなかったのである。

しかし、今季の名古屋は得点力も素晴らしい。9節終了時点での総得点17はリーグ3位で、打開力に優れたアタッカーたちの躍動が数字にもしっかり反映されている。

攻撃力に乏しい印象のあったフィッカデンティ監督のチームが、得点力を発揮できている背景には、前任者の存在があった。