好調の理由は“2つの土台の融合”
イタリア人指揮官がチームを託される前の名古屋は、風間八宏氏の下でポゼッションサッカーを標榜していた。
川崎フロンターレ時代にも魅力的なスタイルを作り上げた知将は、名古屋でも同様のメソッドで指導にあたった。ボールホルダーを複数人がサポートし、細やかなパスワークで相手の守備を切り裂いていくスタイルはまさに“風間色”。
本職がボランチのプレーヤーをセンターバックで起用するなど独自の采配で、魅惑のポゼッションサッカーを完成させようとしていた。
だが攻撃的なスタイルを貫いた反面、守備面には不安を抱えていたのも事実で、2019シーズンの途中で成績不振により風間監督は解任の憂き目に遭った。
しかし、2年半に渡り徹底させた組織的な崩しは着実に浸透しており、監督交代があっても攻撃力は落ちなかった。つまり、“攻撃の風間”と“守備のフィッカデンティ”という2つの土台が融合した結果が、今季の好成績につながっているのである。