思うような結果が出ていない理由
冒頭で触れた通り、神戸は第17節終了時点で12位に沈んでいる。
チームには、イニエスタ、フェルマーレン、サンペールら豪華助っ人陣に加え、山口、古橋、西、酒井ら日本代表クラスのタレントが在籍しているのにもかかわらず、今季はここまで思うような結果を残せていない。
屈指のスカッドに反して成績が向上しない理由はどこにあるのだろうか。不調の大きな理由として、「攻守のバランスが整っていない」点が挙げられる。
今季の総得点数は27とリーグでも上位(6位タイ)だが、失点数は32とリーグでも下から数えて4番目の数字だ。19試合で32失点(1試合平均1.68失点)という数字は褒められたものではなく、このペースで失点が続けば、1試合あたり2~3点は取らないと勝点を得ることができない。
現在の神戸は、ゴールキーパーとセンターバックから徹底的にパスを繋ぐポゼッションスタイルを標榜している。常に自分たちがボールを握って支配率を高め、ゲーム自体もコントロールするのが理想形だ。
当然ながら相手チームは神戸のビルドアップを分断することを狙いとしており、高い最終ラインの裏を突く形が有効打となる。事実、逆転負けを喫した第17節の名古屋戦でも、3バックの裏を集中的に狙われ、何度か決定的なピンチを招いている。
ポゼッションスタイルを標榜する以上、攻撃に意識が傾き、守備が疎かになりがちなのはある程度仕方ないだろう。
しかし、ディフェンスの安定がなければ、やはり成績も安定してこない。つまり現状では、ポゼッションの徹底こそできているが、その分守備陣への負担が大きくなって失点が増え、勝点を取りこぼしているのである。