――引退後は「メンタルコーチ」として活動されていた吉野有香さんが女子サッカークラブを立ち上げようとしたきっかけは、昨年末に古巣のバニーズ京都SCが吸収合併されたことですか?

それはあまり…偶然なんです。それが発表されたのが12月20日くらいで(※正確には21日)私もTwitterで知ったんです。

京都で応援して下さった方やサポーターの方々は悲しいだろうなと思ったので、私が立ち上げて「また応援していただける場が作れたら」と感じていました。すごく感謝しているので。

――吉野さんは愛知県犬山市の出身で、宮城県の常盤木学園高校卒ですし、大学も大阪の関西大学。京都にいたのは現役最後の3年間だけです。そこでなぜ京都を選ばれたのですか?

小学校の修学旅行が京都だったんです。その時に6年生の私は「京都に住みたい」って思ったんですよ。

直感で「住むと思う」と感じたんですね。そして大人になってバニーズ京都SCに入って、京都に住むことになって「やっぱり京都に住んでるな」と。サッカーチームを作りたいという希望は引退してから少しずつ出てきて、たまたまそこで出会った平林という者が京丹後出身だったんです。

平林もサッカークラブを作りたいという夢があって、「じゃあ一緒にやろうよ」と。

私も京都はすごく大好きですし、「また住みたい」と感じているんです。だから京都に行くきっかけができたらな…という私の思いと、平林の「地元を盛り上げたい」という思い、そしてサッカーという共通のスポーツがあったので、京丹後という地を選ぼうと思いました。

――京丹後に行ってみて「これはいける」と感じた部分はありますか?

私も伏見にずっと住んでいたんですが、京丹後に行くのに2時間くらいかかります。だからイメージとしては全然なかったんですけど。

でも行ってみたらすごく人柄とかが…もともと田舎が好きなんですね。私は愛知県の田舎で育っているので。あと海も好きなので、理想が詰まっているなと。あと自然とか、土地があって、というところですね。京丹後に惹かれたのは。

――京丹後という場所を聞いた時に、ちょっとオルカ鴨川FCさん(千葉県鴨川市を本拠地とするなでしこリーグ2部のクラブ)を思い出したんです。大都市の中の小さなパイを取るよりも、小さな都市全てを巻き込みたいという。

全然何も考えていないことがバレますね、今日ね(笑)

――(笑)あまり考えていないとは仰いつつも、クラブのコンセプトや名前はそろそろ決まりそうなんですよね。

京丹後の市長さんと話しているときに「丹後七姫(たんごしちひめ)」という歴史上の女性7人の伝説を聞いて、そこからヒントを得ました。もうすぐYoutubeで発表しようと思います。

――いいですね!楽しみにしましょう。個性的になりそうな感じで…ハードルを上げ過ぎたらダメですね(笑)

ハードルは上げないで下さい(笑)認知してもらいやすい名前にしようかな…というのはありますね。一言で言えるような。

――行政との連携はどこまで進んでいるんですか?

会うつもりもなく会ってしまったので、クマのパーカーを着ていたでしょう(笑)あんなので挨拶に行くことになったんですけど…。

市長さんには「こういうことをしたいです」とお伝えさせていただきました。そうしたら「ぜひ盛り上げて下さい」と前向きな言葉をいただきました。

――今、選手を募集中なんですよね。

そう、選手がいない!雇用先も家もほぼあるんですが、あとは選手だけなんですよ。

――雇用先もできているというのはすごいですね。

そうなんですよ、周りは整ったのであとは選手…という。

――選手が整ったらもう今シーズンからリーグに参戦する予定ですか?

できれば4月からやりたいと思っています!