――京都サンガF.C.はここまで非常に好調な戦いぶりを見せています。今シーズンのチームについてはどのように感じていますか?

チームを作り始めているところから、自分たちのフィロソフィーややり方、ベースに皆がフィットしていくため時間がかかったのが最初の4,5試合でした。

そうした中で、家族や友達などとも一緒だと思うのですが、チームに必要な安定感、スタビリティが出てきて、尚且つ結果もついてきました。それによってチームに自信もついてきたのが、その後の流れなのかなと思います。

様々な国でプレーしてきましたが、日本では自信やメンタルの部分が非常に重要だと感じています。他の国と比べると、メンタルの状態が良くても何かのきっかけで一気に逆の方向へ振れてしまうことがあるので、そこには重点を置いています。

“安定感”を保つために日々の練習を真剣に取り組んでいますし、試合も一試合一試合が勝負。一戦必勝を心がけています。

――今シーズンから曺貴裁監督が就任しました。彼のサッカーはどんなところが強みですか?

色々な意味で「取りこぼさない」やり方をしていると思います。

「勝利したから次の試合は少し緩めてもいい」ではなく、ゲームの強さやスピードを決して落とさず、常にハイテンションで自分たちの強みを出し、勝ったとしても次の試合同じことを積み上げていく。そういうやり方なのかなと感じています。

曺監督のサッカーは細部を大事にしていて、自分の中では比べる例として2018年ワールドカップの日本対ベルギー戦を思い浮かべます。日本は60分良かったのですが、終盤に落ちてしまい、細部を突かれてやられてしまいました。

今年の京都はそうした細部に強くこだわっているからこそ、現在の成績や取りこぼさない感じに繋がっていると思います。自分もあの日本とベルギーの試合を参考にしながら、細部を常に気にかけています。

――バイス選手はセンターバックながら流れの中で攻撃参加する場面がしばしばあります。あの辺りに関しては監督とどのようにコミュニケーションを取っています?

まず攻撃参加については自分の中から自然に出ている部分が大きいです。「なんとかチームを助けたい」といった感覚ですね。

監督にも様々なタイプがいて、攻撃参加をするなという人も当然います。ただ、曺監督はその辺りは割とフリーで、自分の良さを出せていると思います。

攻撃参加がある程度自由にできる中で、チームのために長い時間プレーさせてもらい、貢献できている感覚もあります。自分としては良いフィーリングでプレーできていますし、信頼されているからこそ監督やチームに何かを還元したい思いも強いです。

とはいえ、自由にプレーしていいからといってもチームの規律を乱してはいけません。例えば、5月9日の第13節モンテディオ山形戦で荒木大吾選手が得点したシーンは、自分の攻撃参加からゴールが生まれました。

試合の中で「今“フリー”を出していいんだ」という心地よい感覚が、自分の中に生まれる瞬間があります。それがあったからこそ、ゴールに繋がった場面でしたが、あくまでもチームのためであることが前提です。そういった良い意味での自由度だと思っています。