昨年限りで現役を引退した元北朝鮮代表FWチョン・テセ。
川崎フロンターレなどJリーグのクラブでも活躍した彼が、元日本代表MF鈴木啓太氏のYoutubeに出演し、様々な話題について語った。
彼は愛知県に生まれ、朝鮮大学を経て、プロ入り。2007年から代表でもプレーするようになった。
代表入りについては、「結構、僕も複雑で。お父さんから韓国国籍を受け継いで、日本生まれで国籍は韓国なんですよ。でも、(北)朝鮮代表に入る」と難しい面もあったと吐露(母が朝鮮国籍)。
ただ、北朝鮮代表のチームメイトたちは「めっちゃ優しいんですよ、みんな。純粋なんですよ。たぶん、そうは思われてないと思いますけど。ずっと仲間同士で活動しているから、そこらへんの意識はめちゃくちゃ強いんですよ。だから、選手の悪口とか絶対言わないし。自分たちのなかで仲良くしようという意識が強くて、すごく優しい」かったそう。
その北朝鮮は2010年にアジア予選を勝ち抜き、1966年大会以来となるワールドカップ出場を果たしている。それについてはこう話していた。
「(予選では)最初はみんな下手だったのに、3次予選ではビルドアップなんて全然できなかったのに、最終予選になるとみんな上手くなってるんですよ。すごい選手の成長を感じて。
これいけるかも!と思って、最後のサウジアラビア戦で0-0で引き分けて上がって(予選突破)、その喜びに勝る喜びはないですね。あれが一番!
W杯に出られるってずっと泣いてたし、そのあと。5分ごとに泣けてくるんですよ。
日本代表じゃ分からないです、この喜びは。
北朝鮮代表でW杯に出るなんてありえない。44年ぶりですよ、2回目の。あの時が自分の体も一番キレてましたね」
日本代表は1998年にW杯に初出場すると7大会連続で出場してきた。当時の北朝鮮は44年ぶり2度目のW杯出場で、歓喜のあまり涙が止まらなかったそう。
なお、北朝鮮はグループステージでブラジルに●2-1、ポルトガルに●7-0、コートジボワールに●0-3で敗れている。