大南 拓磨

所属クラブ:川崎フロンターレ

選出理由:「対人戦の強さとスピードが売りのDFが満を持して川崎へ」

昨年12月、川崎フロンターレに大きな動きがあった。キャプテンでありディフェンスリーダーの谷口彰悟がカタールのアル・ラーヤンへ移籍したのだ。安定感のあるプレーと正確なパスでビルドアップの起点だったCBの退団は、当然ながら特大の影響を及ぼす。

谷口の退団を見越してだろうか、クラブは即戦力DFを獲得済みだった。柏レイソルから完全移籍で迎え入れたのが、対人戦の強さと抜群のスピードに定評のある大南拓磨だ。

キャリアをスタートさせたジュビロ磐田で若手有望株として注目され、2020シーズンからは柏に活躍の場を移す。3バックの右ストッパーまたは右ウィングバックを主戦場とし、3シーズンでリーグ戦77試合に出場。経験値を高め、満を持して川崎に加入した。

川崎は最終ラインからボールをつなぎ、流麗なパスワークと巧みなコンビネーションで崩していくスタイルで、近年のJリーグを席巻してきた。大南としては、独特のスタイルに適応することが必須となる。

とはいえ、鋭い縦パスはこれまでも見せてきており、大きな不安はないか。“慣れ”という側面から考えると、最初はCBではなく右SBで起用される可能性もあるだろう。

今季は可変システムや3バックの導入が予想されており、仮に3バックのストッパーという慣れ親しんだ場所でのプレーとなれば、背番号3にとって追い風となるはず。新天地で存在感を示せれば、昨年7月のE-1選手権以来となる日本代表入りも現実味を帯びる。