――クアレスマもそうですが海外でプレーされて『次元が違う』とか『やばいな』と感じた選手はいますか?
選手としての能力はもちろんですけど、海外はお金の規模とかが違うので。
僕がトルコにいた頃は外国人枠が15とか16とかそのくらいだったんですよ。言ってしまえばトルコ代表の選手が数人と、あとはスロベニア代表、スロバキア代表、ハンガリー代表、オーストラリア代表、チェコ代表、ペルー代表、ベルギー代表、僕は当時日本(代表)には入ってなかったんですけど日本人で。みんな他の国の代表選手なんです。
トルコは(地理的に)ヨーロッパの際のところじゃないですか。例えば3日間の連休があったら、ブルサからは飛行機に乗るというのがないので、フェリーボートでイスタンブールに移動してイスタンブールからだいたい国に飛ぶんですよ。僕だったらブルサからフェリーボートに乗ってイスタンブールまで行って、イスタンブールから日本便に飛ぶんです。それかブルサから4人くらいまで乗れるヘリコプターでイスタンブールまで行くとか。
でもハンガリー代表の選手とかチェコ代表の選手とかは、もうブルサからプライベートジェットで国に戻っていくんです。一回の交通費で100万とかするんですけど、「別にまあ100万ぐらいだったらいいよね」みたいな感覚で。
小さなのですけどプライベートジェットを借りて国に帰るというのは日本ではなかなかないというか、僕は浦和とかにはいましたけど、日本のJリーガーでそういうことををやってる人は見たことがありません。そういうのはやっぱり海外なんだなというのは感じましたね。
――その後はタイでもプレーされました。ドイツ、トルコ、タイでプレーして、それぞれの良さだったり海外で成功するための秘訣というか心得というのはいかがですか?
僕は成功したかどうかは分からないですけど、海外で生活するというのは食事の面だとかもそうですけど、そもそも生活への負荷かかるんで色んな面でストレスが溜まってくるんですよ。
当然ですけど基本的には日本語が通じない。タイ時代も通訳いなかったし、トルコの時もチームの通訳はいたんですけど日本語ではありませんでした。僕が監督と話し合う時は英語でトルコ人の通訳に言って、トルコ人の通訳が英語をトルコ語に直してくれるという感じで。
今まで自分が生まれ育った環境とは違う。食事も違うし、文化も違うし、人だって大雑把に言えば日本人のような人とドイツ人、トルコ人、タイ人と、どこの国もやっぱり違う感じでした。
そこで自分が言葉も含めて学んでいく時間だったりというのはすごく勉強になりましたし、逆にそういうのに馴染んでいかないとサッカーもなかなかうまくいかないと思います。
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もしサッカーでうまくいってても私生活が充実してなくて楽しくなかったなと思う可能性もあるし、そこに関してはパーソナリティーの問題なのかなと思いますね。
いくら日本で活躍してても国のサッカーが違うしプレースタイルも違うので、日本で活躍したから海外で活躍できるというわけではない。日本ではなかなか上手くいかなかったけど海外で活躍できるタイプの選手もたくさんいると思います。そこはもうリーグによって全く違うなというのは感じましたね。