薄い控え層とA契約枠の課題
今季圧倒的な強さを見せている神戸だが、大きな課題を抱えている。それは層の薄さだ。
J1第14節柏レイソル戦で交代枠5枠の内、吉田孝行監督は2枠しか使えなかった。
主力組と控え組の実力差が離れており、控え組の選手を起用すればチーム力が落ちる危険性が高いとの判断だろうか。この層の薄さに神戸は苦しんでいる。
また現在の神戸のA契約枠は、最大25人の内24人が埋まっている。
そして24人中10人がリーグ戦出場5試合以下で出場時間も100分に満たないという危機的状況だ。
この数字は退団が決定したイニエスタが含まれているため、7月1日以降はA契約枠が23人となる。
ただ、このひっ迫したA契約枠のままでは新たに補強しても2選手しか補強できないため、薄い控え層を解決することが難しくなる。
長期離脱中のDF菊池流帆を登録抹消にすれば22人となるも、劇的な改善にはつながらない。
MF飯野七聖(4試合出場、出場時間91分)、FWステファン・ムゴシャ(1試合出場、出場時間2分)、FWリンコン(1試合出場、出場時間1分)、MF扇原貴宏(1試合出場、出場時間1分)、今季リーグ戦に出場していないFW川﨑修平、GKフェリペ・メギオラーロ、DF高橋祥平、MFセルジ・サンペールの計8人は余剰戦力としてA契約枠を圧迫している。
そのため今夏に余剰戦力を放出して、即戦力の補強など大ナタを振るわなければ、悲願のリーグタイトル獲得は厳しいだろう。
現在の神戸は高強度のプレス、鋭いカウンター、強固なディフェンスラインによって首位を堅持している。ただしこのサッカーを高い質で遂行するには相当の運動量が必要となるため、夏場を乗り切れるかが懸念材料となっている。
層が薄ければ主力組の負担は大きくなるため、早急に解決しなければいけない課題だ。