かつてエヴァートンでもプレーした元中国代表選手の李鉄(リー・ティエ)氏が行ってきた汚職について、中国の「CCTV」が特集番組を放送したとのこと。
李鉄氏は2011年に引退後、広州恒大と中国代表、河北華夏幸福でアシスタントコーチや監督を務めた。2017年から2019年まで武漢卓爾(現:武漢長江)を指揮し、2019年からは中国代表監督に就任している。
そして2022年には重大な違反行為の恐れがあるとして当局からの捜査を受け、昨年8月2日に逮捕されている。
『微博』に書かれている記事によれば、李鉄氏は2015年に2部の河北華夏幸福でコーチから監督に昇格した際、残りの9試合で8勝をあげたという。クラブが巨額の資金を投じて買収行為を行ったための成績で、見事に1部昇格を成し遂げた。
その後李鉄氏は賄賂や買収に依存するようになり、武漢卓爾では監督、ジェネラルマネージャー、スポーツディレクターを兼任したことで全権を担って汚職に手を染めたそう。
1200万元(およそ2億5000万円)の年俸を受け取りつつ、多くの試合で相手選手や審判などに賄賂を送り、2部を戦っていた武漢長江を1部昇格へと導いたとのこと。
さらに2019年に中国代表監督に就任する際には中国サッカー協会の会長であった陳雪源氏に200万元(およそ4000万円)を支払い、事務局長の劉毅氏に100万元(およそ2000万円)を支払っており、マルチェロ・リッピ監督退任後のポストを手に入れたという。
李鉄氏は中国代表監督になったあとに武漢卓爾の親会社である卓爾グループと6000万元(およそ12億円)の契約を結び、武漢卓爾から4名の選手を中国代表に選出した。武漢の選手を代表で経験させることでレベルを上げられる…という利害関係であったよう。
ただ、その際に湖北サッカー協会の副会長も務めていた卓爾グループの田旭東氏は「代表チームのリストを見た時赤面してしまった。選手の能力は知っている。誰一人代表で出場できる選手はいなかった」と感じたという。
事実この際に中国代表に選ばれた4選手は、李鉄監督が退任した後は一度も代表に招集されていないとのこと。
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中国サッカー協会が八百長や買収という「古いルール」を止めることができず、クラブや監督、選手による違法なお金の流れを止められなかった…という事実が急速に明らかにされているようだ。