29日に行われたAFCアジアカップ2023のラウンド16、イラク対ヨルダンはあまりにも劇的な試合になった。
グループステージで日本代表を破るなど、3試合を無傷で終えたことで評価を一気に高めていたイラク。その優位性は明らかだと言われていた。
ただ、グループEで3位となったヨルダンも割り切ったサッカーでこの大会調子を上げてきており、グループステージでは韓国を相手に2-2と引き分けるなど侮れない相手であることを証明していた。
そんな対戦の口火を切ったのはヨルダン。イラクの最終ラインでのパスミスを狙って奪うと、FWのヤザン・アル・ナイマートがすかさず先制点につなげてリード。
しかしながら68分にはイラクのDFサード・ナティークが同点ゴールを決め、さらに76分には左サイドからのクロスをアイメン・フセインが見事なボレーでたたき、あっという間にスコアは逆転した。
ところが、このゴールが決まった直後にアイメン・フセインがセレブレーションで芝を食べる仕草をしたところ、審判がイエローカードを提示。
これがアイメン・フセインにとっては2枚めのイエローカードとなり、イラクは逆転と同時に10人となってしまったのだ。
反撃を狙うヨルダンは10人のイラクを攻めたて、後半アディショナルタイム5分にヤザン・アル・アラブが同点ゴールを奪い、なんとかタイに持ち込むことに成功。
そしてさらにアディショナルタイム7分、ニザール・アル・ラシュダンが鋭いシュートをゴール右隅に叩き込み、なんとあっという間にヨルダンがスコアをひっくり返したのだ。
これで試合は終了。劇的な展開の末、ヨルダンがイラクを3-2で撃破して準々決勝へと駒を進めることになった。
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本大会の開幕前には日本代表相手に何もできず1-6で敗北したヨルダン。しかしそれを受けてアジアカップでは前線のアル・タマリを武器にしたカウンターサッカーに割り切り、その結果「怖い」チームに変貌している。
なお、ヨルダンは2日に行われる準々決勝ではタジキスタンと対戦する予定となっている。