28日に行われたアジア最終予選で北朝鮮に2-1と勝利し、パリ五輪への出場権を獲得したなでしこジャパン。試合後、MF長野風花が囲み取材に応じた。
中立地サウジアラビアで行われた第1戦は0-0の引き分け。日本としてはなかなか思うように試合を運べなかったが、なでしこの誉れ高き10番はその経験を無駄にはしなかった。
「第1戦目はとっても苦戦しましたけど、その分相手のシステムだったり、どこに強くくるのかを身をもって理解しました。それを今日の試合にうまく生かせたかなと思います」
この日は第1戦から2人の選手を変更し、システムは3-4-3に。長野と長谷川唯の2人がボランチに入り、チームの舵取りを行った。
「第1戦は後ろで回して詰まったら蹴る…あまりチームとして繋がりが見られませんでしたが、今回3-4-3になってゆいゆい(長谷川唯)か私のどちらかがビルドアップに関わりながら前進できました。相手選手は『ミスマッチが苦手』という分析もあったので、私たちが落ちた(ボールを受けにいった)際に相手のボランチが食い付いてくるのかを見ながらうまくスペースを見つけられた。ワールドカップでもこのフォーメーションでしたし、やり慣れているところはあったのでスムーズに試合に入れました」
藤野あおばが得点した2点目のシーンは、長野が中央でのコンビネーションから起点に。これは本人にとっても理想の形だったという。
「(北朝鮮は)『前には強いけどちょっとずらされたところにはすごく弱い』というのは1戦目もやって感じていました。ただその距離感になかなか人がいなかったところもありましたし、そもそもそこにボールが入らなかった。今日は距離感を修正できて、3人目をしっかり使えれば必ずチャンスはできるとイメージしていたのでうまく繋がりました。常にイメージしてる形なので、それが体現できて良かったです」
パリ五輪への出場がかかった大一番。なでしこジャパンは2016年リオ五輪のアジア予選でまさかの敗退を喫し女子サッカー界も停滞することとなった。今回も敗退となればそうした状況に陥る可能性はあったが、長野にそのプレッシャーはなかったようだ。
「私自身はすごく楽しみだったというか、正直負ける気があまりしませんでした。みんなで『自信を持っていこうね』と話をした中で切符を掴み取れたのでとても嬉しいです」