Qolyアンバサダーのコラムニスト、中坊によるレポートをお届けします。

優勝争い中で3位鹿島と、リーグ戦三試合無得点中のヴェルディとの試合を振り返る。

酷暑を回避した試合だからこその勝ち点3

山見大登が絶好調の試合だった。

前半時点で相当なキレと動きの良さを見せつけており、3位鹿島相手に後半2得点を挙げ見事な結果を叩き出した。

一点目はGKのニアをぶち抜く見事な一発。二点目は完全にのってるFWならではの自分の目の前にボールがこぼれてくる流れ。それ以外にも見事なトラップからクロスバー直撃弾や、絶好調過ぎて鹿島DF陣を翻弄しボール持ち過ぎて味方へ出さず、貪欲に点を取りに行き過ぎてしまうシーンもあるほど。

攻守にわたりハードワークをした結果、後半37分に足をつり途中交代となったが山見に限らずヴェルディの選手達がこのハードワークを完遂し、鹿島相手に完勝できたのも酷暑を回避できたことが大きい。

ここ数試合、うだるような暑さで観客側ですら熱中症の被害が続出しているピッチコンディションの中でハードワークを行うのは不可能。しかし、この日はここ数試合に比べれば涼しさがあり、ピッチでの躍動、そして勝ち点3に繋がった。


綱島悠斗の存在感

山見以外に存在感を放ったのは綱島悠斗。

前半、鈴木優磨にきついファールを行い鈴木が激昂、それに対して握手拒否をされているのにもかかわらず無理やり引き寄せて握手をしたり、一点目の大きな起点となる攻めあがりと山見へのラストパスでアシストを決めたり、そして試合終了間際の手で得点機会阻止した場面等、要所要所で存在感放つプレーだった。

鹿島側からすると綱島悠斗は肩ではなく手であり、偶然ではなく意図的に手を使って得点機会阻止のため、「PK+退場」と思っていたはずが、「PKのみでカードなし」の判定になったことに鹿島側は全く納得いかなかったはず。ATも11分用意されたため、この退場か否かは戦況にも大きく影響した。

この8月から競技規則が改正され、偶発的なハンドに対してはカード軽減となっている。

もともとは、ハンドの反則において大きなチャンスの阻止は警告(イエローカード)。得点や決定的な得点機会の阻止であれば退場処分(レッドカード)の対象。

それが今回の改正により、偶発的なハンドに限ってはカードの色が軽減。

大きなチャンスの阻止はカードなし。得点や決定的な得点機会の阻止であれば警告(イエローカード)に軽減となる。

この試合における笠原主審は「意図的ではなく偶発的なハンド。だから退場ではない」「ハンドの中身としても、得点や決定的な得点機会の阻止ではないので、カードも出さない」という判断を下したものと思われる。

ここはかなり見解の分かれるところだ。

そもそも、あの綱島のプレーに関しては自分も現地で見ていた際、偶発的ではなく意図的なハンドだと見えたため、「PK+退場」だと感じた。そのため鹿島側からすれば数的有利活かした残りのAT11分間で同点に追いつく可能性を閉ざされたと主張するだろう。

ただ、それを踏まえても、鹿島鈴木優磨が前線から下がり過ぎる悪癖が今日も散見され、問題点が変わらないままであり、平日に天皇杯を戦った影響で動きも重く、個人的にはあの退場か否かの判定を踏まえたとしても鹿島の敗戦やむなしの内容ではあったと感じている。優勝争いに向けては痛恨の敗戦となった。


ライター名:中坊

紹介文:1993年からサッカーのスタジアム観戦を積み重ね、2023年終了時点で962試合観戦。特定のクラブのサポーターではなく、関東圏内中心でのべつまくなしに見たい試合へ足を運んで観戦するスタイル。日本国外の南米·ヨーロッパ·アジアへの現地観戦も行っている(本記事は一週間後、中坊コラムに転載します)。 

Note:「中坊コラム」@tyuu_bou https://note.com/tyuu_bou 
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