ここまでは主に、チームメイトの移籍で番号が空いたことによりスター選手が背番号を変更したケースだった。
しかし逆に、スター選手がやってきたことで既存の選手が背番号を変更し番号を空けたケースもある。
2018年5月、それはまさに日本のJリーグで起こった。
アンドレス・イニエスタ
バルセロナやスペイン代表で活躍した世界的スーパースター、アンドレス・イニエスタ。彼が日本へやってきた時の興奮は多くの人の胸に刻まれていることだろう。
ヴィッセル神戸への加入が決まって早々、バルサ時代と同じく8番をつけることが発表されたイニエスタ。しかし、神戸の8番は当時、加入1年目ながらレギュラーとして活躍する三田啓貴がつけていた。
そこで動いたのがJリーグ。なんとユニフォーム要項を改定し、三田が背番号を8番から7番へ変更することで、イニエスタの8番着用が認められたのだ。
昨日の一番の感動 イニエスタが三田選手に自分から電話をして、大切な背番号を譲ってくれてありがとうと丁寧に話をしたこと。やはり我々の判断は間違ってなかったと思いました。
— 三木谷浩史 Hiroshi (Mickey) Mikitani (@hmikitani) May 25, 2018
シーズン途中の規約改定に関しては議論も呼んだが、イニエスタ自身が三田に直接感謝の意を伝えたこともあり尾を引くことはなかった。
ちなみに三田は、翌2019シーズンのダビド・ビジャ加入により、今度は7番から14番へ背番号を変更してこの時も大きな話題に。「次は14番がトレードマークのスターが加入する!」と神戸の補強戦略を推測する者まで当時現れたほどだった。
そんな渦中の人だった三田は現在、J2首位の横浜FCで25番をつけてプレー。9月14日には34歳の誕生日を迎える。