お金持ちにはなれないけど

浅野ーーサッカーライターは取材や書くことだけが仕事じゃないですもんね。

高橋ーーそうですね。企画書作りや撮影もあるので、なかなか大変。だからお金持ちにはなれない(笑)

浅野ーー夢がない(笑)

高橋ーーお給料とかの部分に関しては、なんなら赤字のときもありますから、夢のないことしか言えません。

浅野ーーそうは言っても、それでもこの仕事をやり続けてきましたよね。一体なぜですか?

高橋ーー1番の理由は、僕の記事を読んでもらうことでスタジアムに一人でも多くの方に行ってほしいからです。この選手はこういう想いで戦っているから応援しに行こうとか、あの選手のプレーを観に行ってやろうとか。そのような感じで、スタジアムに行くきっかけになってくれたら、俺はもう何も求めませんね。

浅野ーー読者ファーストですね。

高橋ーー読者・サポーターにどうやって効用を届けられるかしか僕は考えていません。もちろん、選手やクラブの関係者とも交流はあるんですけど、彼らを喜ばせることは、僕の中では前提です。選手の言葉やクラブの想いをサポーターや読者に届けることが僕にとって1番の仕事ですね。まぁ、綺麗ごとかもしれないですが…浅野くんはどうですか。

浅野ーー僕はライターになったきっかけこそ、自分のためでした。だけどいざ原稿を書いてみて、それが世に出ると、反応がうれしいんです。たとえ批判的なコメントだとしても、自分の書いた文章によって、何かを思ってくれる人がいる事実がやりがいですね。

高橋ーー分かる。物すごい暴言を吐かれても「あ、読んでくれたんだ」みたいに思える。もちろん度を越したものは相手にしないけれど、ほとんどの反応はうれしいですよね。

浅野ーーそうなんですよね。でも、だからこそいい記事が書けないときは、自分の実力に悶々とする。高橋さんは、取材するときに気を付けていることはありますか。