・目標は2015、ザンビアにとっても“準備試合"だ
現在ザンビア監督を務めているのは、パトリス・ボーメル氏。2010年からエルヴェ・ルナール氏のアシスタントコーチを務めていた男である。
2013年は苦難の年だった。しかし、英雄に対する信頼が崩れていないことは容易に読み取ることが出来る。必要に応じて若手の発掘を進めているが、大きくメンバーは変わっていない。
守護神を務めるケネディ・ムウェーネは、人間離れした反射神経を持ち、PKも得意とするほどキックにも自信を持っている。
最終ラインの要であるストピラ・スンズは、一時アーセナルへの移籍も噂されたほどの実力者だ。今年はルナール氏の誘いでソショーに移籍し、フランスリーグでも才能を見せつけている。高く、強く、そして技術もある。
ボランチには2012年優勝メンバーであるネイザン・シンカラ、イサーク・チャンサがおり、両サイドバックとウイングをこなすタフガイ、チサンバ・ルングも健在。
攻撃の中心となるのは主将のクリストファー・カトンゴ、そして主にウイングを務めるレインフォード・カラバ。小柄な二人は切れ味鋭いドリブルで相手の守備をズタズタに破る。
そして、未だに調子が戻らずにいる苦境のエース、エマニュエル・マユカも、復活を期待され招集されている。つまり、得点力については大きな課題が残るとも言える。
残念ながら、上記のレインフォード・カラバはクラブ事情によって、ケネディ・ムウェーネは怪我によって日本戦には招集されていない。『主力が離脱』と書かれた記事を読み、彼らは本気ではない、と思う人もいるかもしれない。
しかし、これは9月にネイションズカップ予選の開幕を迎えるザンビアにとっても貴重なチャンスなのだ。新たな監督の下、再び栄光を勝ち取るための第一歩である。
選ばれた選手たちは、再びトロフィーを掲げるため、日本を苦しめるだけの戦いはしてくれると信じている。そして2015年ネイションズカップに出場し、好成績を残すことを筆者は願っている。