開幕から3試合、勿論観戦数にはチームごとに差はありますが、全チームを1度は観戦することが出来ました。ということで、今回は試合を観戦したことを踏まえて、プレミアリーグの分析と展望をしていきたいと思います。チーム1つ1つについて、出来る限り詳細な分析を心掛けてみました。
今回は “Positive Aspect”で良かった面、“Negative Aspect”で不安視される面を分析、今後のプレミアリーグへの展望に繋げています。また、各チームから新加入でデビューを果たした“New Player”、既存の中心選手として期待される“Key Player”、そして+に転べば大きい"Potential Player"を選び、それぞれコメントしていきたいと思います。
更に、移籍期間最終日の移籍についても評価。 “Deadline Deal”というのが、最終日の注目加入選手となっております。
開幕前にQolyでは プレミアリーグ座談会も行わせていただきましたが、その座談会の中での評価と変わってきているチームもあるため、是非一緒にお楽しみください!
QPR(プレーオフからの昇格) 【第3節観戦】
【戦力バランスの悪さを、指揮官の手腕で解決出来るか。】
・Positive Aspect
レロイ・フェルがトップ下として好調で、攻撃と守備に上手く彼を動員出来れば中盤の厚みは増すはず。ジョーイ・バートンとジョーダン・マッチが組んでいた中盤センターも、独特なタイミングでボールが動いていく。そういった面で、自分たちが主導権を握る展開のパス回しにおいては非常に面白い。攻撃においても面白いタレントが揃っており、ジュニア・ホイレットは間違いなくプレミアレベルでも通用する人材。ストライカーとして期待されるオースティンが当たってくれば、残留も見えてくるはず。更に、今年も積極的にコールカー、クラニチャール、サンドロなど指揮官の良く知る面子を買いそろえた。
・Negative Aspect
攻撃力に反して、守備面では様々な不安が残る。バートンは年齢を重ねていく中で攻撃的でテクニカルなプレイヤーとなってきており、マッチも持ち運んでいくようなプレーが売り。ただでさえ盤石とはいえないDFラインの前が攻撃的な構成になってしまうと、強力な選手が揃っているプレミアの攻撃を薄い守備で受けることになりかねない。そういった展開になってしまうと、残留は難しくなってくる可能性も。守備面では組織的な面にはそこまで期待出来そうにないため、新加入のサンドロとコールカーの個人能力にかかる期待は大きそうだ。CB、中盤の底を支えられる守備的なMF、FWが欲しかったところで、守備は出来るもののプレーエリアはそこまで低くないサンドロと、テクニックが売りのクラニチャールを購入してきたように、スカッドのバランス自体も悪くなっている。レミーを売却したため、CFが足りていないことも懸念材料か。
・New Player
サンドロ
トッテナム時代の教え子でもあり、フィジカルの強さを持ち味としたプレーをこなすブラジル人MF。難しい状況でも献身的に守備をこなすチームプレイヤーで、フィジカルバトルを厭わない面でプレミアリーグとの相性が良い。恐らく彼の守備力はQPRの運命を左右するものになるはず。
・Key Player
ジョーイ・バートン
年齢を経ていく中で、テクニック面での成長が著しいイングランド人MF。アウトサイドなどを多用し、面白いタイミングで縦パスを入れていく姿は必見。相手のタイミングを外すテクニックが多彩で、足の振りにも工夫が見られる。守備でも運動量は落ちたものの、状況を見た潰しはお手の物。入れ替わりが激しいチームの中で、どうにか「烏合の衆」を組織としてまとめられるか。
ジュニア・ホイレット
QPRの中で、最もプレミアリーグでも通用するクオリティを秘めている選手といえば彼だろう。その力強く鋭い突破は、プレミアの守備陣であっても容赦なく切り裂く。プレーの幅が増えて自然に周りを生かしていけるようになれば、ステップアップの可能性も。
・Potential Player
マウリシオ・イスラ
サイドバックとして起用されているが、中盤としての起用でもポゼッションに面白いアクセントを加えることが出来るチリ代表プレイヤー。関係性の中で生きる選手であり、足元のテクニックにも優れていることから、レドナップはトッテナム時代のアス・エコトのようなイメージで起用しているのだろうか。
エドゥアルド・バルガス
ネイマール以上の逸材、と言われたこともあるほどに期待されていたチリ代表ストライカー。近くに選手がいる状況で生きる選手であることから、W杯ではアレクシス・サンチェスと面白いコンビネーションを見せていた。中央のFWが出来る選手がザモラ、オースティン、彼という状況になっており、出番は増えると思われる。ジュニア・ホイレット辺りと、動き回りながらのコンビネーションを構築出来れば。
・Deadline Deal
ニコ・クラニチャール
ハリー・レドナップは教え子として高く評価しているものの、その天才的な才能をコンスタントに発揮出来ていない印象を受けるクロアチア代表MF。アタッカーとして輝くような選手が多い中で、恐らく出し手として期待されるはず。減給を受け入れての加入だけに、モチベーションは高そう。
筆者名:結城 康平
プロフィール:「フットボールの試合を色んな角度から切り取って、様々な形にして組み合わせながら1つの作品にしていくことを目指す。形にこだわらず、わかりやすく、最後まで読んでもらえるような、見てない試合を是非再放送で見たいって思っていただけるような文章が書けるように日々研鑽中」
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