2. Jクラブにも影響を与える“ゲーゲン・プレッシング"
ドルトムントのユルゲン・クロップが提唱したことで、日本でも聞かれるようになったこの言葉。
細かい解釈は多数あるものの、ゲーゲン・プレッシングの大意は「相手にオールが移った瞬間、ボールを回収しようと直ちにプレッシングする」ことである。要は、切り替えを極限にまで早め、プレッシングを高い位置で開始させるというものである。
ザルツブルクは徹底された戦術のもと、上記のような記録と評価を手にしてきたのだ。
こちらはアヤックス戦の映像。
相手が最終ラインをボールを回す時でも全体的にラインを押し上げ、プレッシングで数的優位を作り出している。統一されたプレッシングの連続は、まるで蟻地獄のよう。プレッシングがはまればはまるほど主導権は自らの元に渡ってくるのだ。
そして、そうした先進的な戦術に感銘を受けた監督がJリーグにもいる。2014年シーズン、湘南ベルマーレを率い圧倒的な成績でチームをJ1に昇格させたチョウ・キジェ監督だ。
試合後の古林選手と監督。古林選手が「曺さんと撮って!」と言って2ショットが実現(笑)毎日毎日、地道なリハビリを懸命に頑張りました。今シーズンのピッチに立つことができて本当によかった!!
#bellmare pic.twitter.com/ylKZAxP8hX
— 湘南ベルマーレ (@bellmare_staff)
2014, 11月 15
もともと海外サッカー研究にも熱心なチョウ監督がザルツブルクのサッカーに影響を受けたのは、やはりあのELアヤックス戦であったという。それ以来ザルツブルクの映像を収集、分析し、月に数度の戦術ミーティングの際にもこれらの映像を用いたと昨年末に語っていた。
昨シーズンのJ2第7節ジェフ千葉戦終了後の記者会見で、チョウ監督は「開始直後の15分だけならザルツブルグとも戦える」と言及した。また、他の試合の会見でも「ザルツブルク」の名前を引き合いに出している。J2で圧倒的な成績を残した湘南のモデルとなっていたのが、南野が移籍するザルツブルクなのである。