では、一度マンチェスター・シティの攻撃を離れて、バルセロナが見せた様々な「死角を突く」フリーランを見てみよう。

ここでポイントとなるのは、4番のクロアチア代表MFイヴァン・ラキティッチと前線の南米トリオ。特にネイマール、スアレスの2人は、その感覚的な動き出しで狡猾にマンチェスター・シティの守備を振り回した。

この場面、ボールが動くのは基本的にマンチェスター・シティの右サイド。

ボールを出した選手は基本の「パス&ゴー」を徹底。縦への走り出しを見せており、DFラインの意識は右サイドに向く。当然、中盤の選手は視界が右サイドを向くことになる。

中央ではなく、外のポジションにボールを置くことは相手の死角を作り出す上で1つの重要なポイントだ。

ここでは4番ラキティッチの「ヤヤ・トゥーレの死角を突いた」走り込みによって、マークが遅れている。

一瞬遅れながらサイドハーフのミルナーが追いかけているものの、状況的に非常に難しい場面だ。全体が短いフリーランを連続したことにより、右サイドに過剰に引き付けられてしまっている事が解る。

また、「相手のセンターハーフの走り込みを、シティの左アタッカーが見る」という状況自体が正しくない。

右にアイソレーション的にポジションを取ったメッシがコラロフを引き付けてスペースを生み出していることも注目点だ。前任者ロベルト・マンチーニは、サイドバックのポジショニングに対して非常に細かい指示をする指揮官として有名だったので、彼のチームであればコラロフは内側に絞ることが出来ていたかもしれない。正しくは、ここでミルナーとコラロフはマークを受け渡すべきなのだ。

フェルナンジーニョとヤヤ・トゥーレが、目の前の短いフリーランに注意を向け、斜めを向いていることによって生まれたスペースに「長い距離」を走ることで入り込むラキティッチ。タイミング的にも若干遅れて入ってきていることで、「短いフリーラン」の方に中盤の2枚の意識を向けさせて、その隙を狙っている。

【次ページ】世界最強クラスの3トップによる連動。