怪我人がいても魅力ある攻撃陣

一方、日本代表が警戒しなければいけないという点で見れば、やはり攻撃陣だ。トップは少し人材不足になっているとは言え、2列目の選手は面白い才能を持つ。

アシュカン・デジャガーとサルダル・アズムンはもう言わずもがなの存在であるが、今回呼ばれている2名のウイングを警戒したい。

ヴァヒド・アミリはナフト・テヘランで攻撃の中心人物となっているレフトウインガー。左利きのスピードあるアタッカーで、切れ味あるドリブルと強烈なシュートを持ち、積極的な突破を図ってくる選手だ。

左利きの左ウイングにしては珍しく、カットインの頻度もかなり高い。さらに彼の特徴はロングスローであり、小柄であるが鋭いボールを投げ込んでくる。

そしてもう一人はウミド・アリシャー。クラブでも代表でも2番を付けるのだが、左サイドを得意とする右利きのアタッカーである。圧倒的な加速力を生かしたドリブル突破が魅力で、勢いよくゴールを狙ってくる。

組織力がまだ未完成の状況だからこそ、彼らの個人の能力が生かされる可能性はある。日本代表がイランの勢いを止められるかどうかに注目したいところだ。

あと攻撃面で忘れてはならないのがGKのアリレザ・ビランヴァンド。ちょっとクラブと揉めて出場停止を受けたりとオイタをしているが、彼のスローイング能力は世界でも屈指である。

立場としてはアリレザ・ハギギとの併用(ビランヴァンドの方が序列がやや下)なので試合に出てくるかどうかは分からず、注目選手には入れにくい。ただ、彼は相手のゴール前にまで手で投げてくる選手なので、隙を見せないよう注意したいところだ。

【次ページ】注目選手は?