―以前から、5月からはもう絞り込む段階に入ると仰っていましたが、今回選ばれたメンバーは今後も本大会を含めて軸になると考えて宜しいんでしょうか。彼らが18人に残っていくにはどういうものを見せなければいけないか、見せてほしいかというのを教えてください。

手倉森「軸になりたければ頑張るでしょう、と、頑張れ、と。

間違いなくここに来てるメンバーはそのチャンスがある。そのチャンスを十二分に活かす覚悟を示してほしいし、本大会をしっかりと描けてこれからの試合を活動どうすべきだと思っています。

非常に過酷でタフ本大会が待っている。ということは、求められるのはタフさだというところですから。環境の整ったこの日本で試合をする時に、今ある存分の力を発揮しなければタフさは磨かれないと思いますから。スピードとパワーというのを示せる選手たちが生き残っていくだろうなと思っています」

―クラブで主力として出ている浦和の遠藤航くんや柏の中村航輔くんが今回呼ばれてないですが、その理由があれば教えてください。

霜田「いろんな理由があります。

この後にトゥーロンを控えてますのでここで呼ばなくてもトゥーロンでしっかり見れる選手もいますし、その後にACLを控えてかなり過密日程で日本の代表として戦わなければいけないクラブ、ACLを戦わねばいけないクラブの選手、ずっと試合に出てる選手に関しては、ある程度いろんな比量も含めて考慮はしてます。

一人一人理由は違うので、ここで選べなかった選手を全て言うわけにはいかないんですけど、遠藤と中村航輔に関してはそういう感じです」

―監督に質問します。東日本大震災の時は仙台の監督としてその年4位になって、その次の年は広島と優勝争いをして逆境を力に変えるようなところを見せてくれたと思うんですけど、今回オリンピックがある年に地震が起きてチャリティマッチもやると。被災地に示すメッセージもそうですけど、今回のチャリティマッチの意義というのをどういうところに感じてらっしゃいますでしょうか?

手倉森「打撃を受けた被災地、思いは悔しさ、悲しみに溢れています。

悪いことが起きるのも人生ですけど、良いことも人間の力で起こさないといけない。こういう状況になった時にスポーツの力で明るいニュースを届けられる、それを東日本大震災の後のベガルタでものすごく感じました。

国民の思いを背負って戦うことで日本代表というのは、チームというのは思いもしない力を発揮できるもんなんだなというのを感じています。

そういうのを分かっている指揮官として、今回のオリンピックメンバーに対しても被災地の思い、そしてオリンピックへの国民の思いというのをしっかり胸に刻んで戦うことができれば、人は多くのパワーを注げるだろうなと思っています。

そのパワーを注いだ先には必ず良いニュースを届けられるというのを今回示さなければいけない、と。日本の歴史を変えるべくね、メダルが目標であることに対して、一つ大きなものを背負った状況で戦うことが課せられたんだなと思った時に、そういった力が必要なんだなということを認識して、打撃を受けた被災地、九州の力、そして日本の力というのを我々が世界でたくましさという部分で示せれば良いなと思っています。

そういったものを示せる集団というのを今回の90分で示したいなと思います」

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