中盤の守備がそれほど手厚くない
ただ、もちろん強みもあれば弱みもある。今イラクに欠けているものの一つは、ボランチの片方である。
今絶対的な選手となっているのがサード・アブドゥラミール。彼はもともとトップ下だったのだが、低めの位置からゲームを作ることを好んでおり、後にボランチへと転向した。
テクニックの他にもリーダーシップの面で優れると言われ、24歳でありながらも副キャプテンを務めている。今プレーしているサウジアラビアでも存在感を見せている人物だ。
しかし彼は決して広いエリアをカバーできるハードワーカーではない。そして、そのパートナーとなる選手も固まっていない。
以前はイングランド育ちのヤースル・カーシムが使われてきたが、彼もどちらかと言うと英国的なボックス・トゥ・ボックスの選手であり、加えて今回は呼ばれていない。
前回使われたのは小柄なマフディ・カーミルだったが、彼もむしろもう一枚前で起用したほうが生きるタイプだ。
アムジャード・ワリード、アムジャード・アトワン、バシャール・ラサンもボランチは出来るのだが、彼らもどちらかと言えば攻撃的なタイプ。スウェーデンからやってきた新戦力のブルワ・ヌーリもそうだ。
イラクが組織&運動量&人数だけで守れない展開になってくれば、アブドゥラミールの負担は極めて増大する。日本が攻撃で狙うのはそこになるのではないか?