最前線が手薄
イラクはこのところ国際試合で5試合勝利していない。しかもそのうち4試合で負けており、4得点9失点と非常に勝負弱い。
そして、このところ接戦でずっと勝てていない理由は、間違いなく簡単に表現できる。ストライカーがいないのだ。
かつてはユーニス・マフムードという絶対的な選手がおり、最前線に柱があった。しかし、彼が3月に代表引退してからは、もはや頼れる存在がいない。
そして、加えてシュナイシル監督の招集も少し不思議なところはある。
今回イラクが戦うのは日本とタイである。どう考えてもこの2チームの弱みは「高さとフィジカル」で共通している。筆者がシュナイシル監督だったら「実にラッキーなスケジュール」と思うだろう。
イラクには190cm近いストライカーがいる。彼らはあまり点は取れないが高さは抜群だ。アイマン・フサインは怪我をしているが、マルワン・フサインは使える状態にあるのだから、それが役に立つはずだ。
ところが、彼は今回呼ばれていない。その結果前線のメインメンバーには「大柄であるがドリブラー気質」のムハンナド・アブドゥルラヒームくらいしか高さのある選手がいなくなっている。
当然彼は良い選手なのだが、ストライカーというよりはボールを受けてから仕掛けて何とかするタイプである。ワントップでは前が向きにくくて窮屈だろう。
とにかく、「彼なら得点を決めてくれる」というような存在はいない。決して相手の前線に恐れを抱きすぎる必要はないだろう。