ーー宇都宮さんと漫画の関わりについて教えていただけますか?
私の子供時代は少年チャンピオン全盛期というものがありました。『マカロニほうれん荘』や『ブラック・ジャック』などの時代です。なかでも野球漫画の『ドカベン』にはまりました。大人になり漫画を読まなくなってしまいましたが、最近はまた読むようにしています。
今回のイベントでは4人の作家さんを取り上げるのですが、高田桂さんの『サポルト! 木更津女子サポ応援記』は雑誌掲載ではなくオンライン上で連載するweb漫画なんですね。そういう漫画を読む形態の変化や見せ方にも興味があります。
ーー実際にweb漫画には私も最初が抵抗がありました。しかし、慣れてしまえばコマ割なども気にならなくなりました。最近は縦にスクロールするweb漫画アプリも登場しています。
そうしたweb漫画ならではの“割り切り”みたいなものはすごいですね。
ーーサッカー漫画で影響を受けた作品は何かありますか?
やはり、『キャプテン翼』です。キャプテン翼の作者の高橋陽一先生は今でこそ「当時はサッカーのルールを知らなかった」とか色々言われていますが、キャプテン翼以前と以降には大きな違いがあります。
実際、それまでのサッカー漫画で代表作といえば梶原一騎原作の『赤き血のイレブン』がありますが、フィールドが土なんですね。当時の日本のサッカーといえば芝ではなくて土や泥にまみれながらやっていた印象でした。ところがキャプテン翼はちゃんと芝のフィールドなんです。
キャプテン翼連載当時、私はすでに中学生ぐらいだったと思うのですが、キャプテン翼のアニメを見て育った世代はサッカーがうまい(笑)。ジェネレーションギャップみたいなものをリアルタイムで感じました。
世界に与えた影響は間違いなく絶大です。