これまでに日本人選手たちが海外で成し遂げた「偉業」を振り返ってみる。

豊川 雄太

3点が必要という絶望的な状況で途中投入されると、そこからハットトリック(+1アシスト)を記録し、大逆転でオイペンを残留に導いた豊川。

客観的にみれば、1チームだけが降格するリーグ、それも過去ほとんど下部リーグで過ごしてきたクラブの小さな出来事に過ぎないかもしれない。しかし応援するものにとっては目の前のクラブこそが世界の中心であり、人生そのものである。

徳島ヴォルティスの熱烈なサポーターで先月、急逝した俳優の大杉漣氏は生前、このように話していた。

「J2でもJ3でもJ1でも、カテゴリーの問題じゃなくて、心に届く試合があるんですよ。(中略)心に届く試合、響く試合、そういうものを一つでも多く、サッカーで見たいなと思います。」(徳島新聞より)

熊本で生まれた23歳の日本人青年がわずか20分の間に起こした“奇跡”。それはオイペンと苦楽を共にするサポーターの心を撃ち抜き、後世に語り継がれる伝説となっていくであろう。