なぜ今、久保竜彦なのか

Q:今回のサカつくには、久保さんが「地元チームを支えるベテラン選手」としてゲームに登場します。

山田:はい。

Q:生配信では、下部のカテゴリーでプレーする久保さん(当時JFLのツエーゲン金沢に所属)が想像できなくて、それがインスピレーションになった旨のことを話されてましたね。

山田:そうなんですよ。

Q:私も廿日市で現役に復帰するって聞いた時は本当に驚きました。また広島に戻ってきてくれて嬉しかったですが。

山田:そうそう。そういうのがいいと思ったから、自分のスタートするクラブのベテランとして久保さんが出るのがいいなって。名前を出したらアレだけど、中田英寿がそこをやるって違うじゃないですか。イメージがわかないと思うんですよ。久保さんだから、いろんな意味でグッとくるものがあって。

Q:久保さんはこの話を聞いた時どう思われました?

久保:なんでかなーって。

一同:(笑)

久保:昨日初めて(山田プロデューサーと)会って、飲んで…でこんな感じ。うわ、スゲーなって。

Q:(笑)

久保:ゲームもやったことなかったし。サカつくとか、(名前を)聞いてはいたけどまわりからの情報やったんで。こんだけ真剣に作ってるんだーっていうのを昨日…じゃない今日初めて知って、スゲーと思って(笑)

Q:生配信で「ぷよぷよ」をやったことがあると言われてましたが、それは本当なんですか?

久保:うん、ずーっとやってました’。

Q:正直それがびっくりです(笑)ただ今回の話を聞いて、すごくセガらしいなというのも感じたんです。セガって今までも勝負してくるじゃないですか。せがた三四郎の藤岡弘さんとか湯川専務とか、社内にそういう伝統というか土壌みたいなものがあるんですかね?

山田:「王道勝負」ができない会社なんですよ、言ってみたら。それは。

Q:比べるのは大変おこがましいですが、Qolyにもそういうところがありまして親近感が…(笑)

山田:昔でいったら任天堂という存在があってセガは二番手、みたいな感じがあって。プレイステーションが出た時も、セガサターンはそういう立ち位置だったし。サッカーにおいてもようはメインストリームなゲームじゃないですよね、サカつくって。王道ゲームはやっぱりアクションだったりとかで、選手が不満を言うようなゲームって王道にはならないですよ。

久保:…(感心して聞いている久保さん)

山田:ただ、今までもシンボリックなキャラクター、オシムさんだったりピクシー(ストイコヴィッチ)とか使いましたけど、そこに本田や香川がこない辺りがうちの会社…というかサカつくなんですよ、それが。ただスター選手を獲るようなゲームではない。自分なりの考えとか思い入れを発揮する、という感じのゲームだから。そういう意味では、僕が思い入れのある久保選手を使えたっていうのはサカつくっぽいというか、いいなって思いますよね。

久保:…(感心して聞いている久保さん)

山田:みんな好きなんですよ、オシムさんもそう。発信している内容を含めてすげーなって思ったし、ジェフのサッカーもすごかったですよね?

久保:うん、すごかった。

山田:センセーショナルだったよね。

Q:久保さんから見たオシムさんってどんな印象ですか?

久保:(力を込めて)デカかったですねー。

一同:(爆笑)

久保:ものすごいデカいんですよ。

山田:恰幅もあるしねー。

久保:そうそう。

山田:あの人に「走り過ぎても死ぬことはない」とか言われたら走らざるを得ないという気はしますよね。

久保:確かに。

山田:すごいインパクトありましたよね。ピクシーもそうで、Jリーグを見てる人にとってピクシーってすごい思い出だし、サンフレッチェファンからすると、ピクシーにどれだけ天皇杯でボコボコにされたか…。

久保:うん。

山田:それが監督をやってくれた、っていうのもすごく良かったから。そういう意味では、僕のわがままじゃないですけど(笑)、自分が好きな人たちを使えるってのは、いい仕事ですよね。

Q:いま気付きましたが、全部サンフレッチェ絡みですね(笑)。私もサカつくでは必ず久保さんを獲ってました。ただ、ゲーム上どうしても衰えて使えなくなる時があって…それが辛いんですよね。

山田:昔のサカつくは引退要素があって、今回もいろいろ考えたんですよね。引退していくことで入れ替わりが発生するじゃないですか。スマートフォンのゲームなんで、課金で手に入れた選手とかがそのまま引退して使えなくなるってことはもともと想定してないんです。でも、衰えて使えない瞬間があるっていうのはやっぱりユーザーにとってはマイナスかなと思って、引退っていう要素自体は止めたんですよね。ただそのかわり覚醒というか、もう一回レベル1からやり直すと…

Q:「限界突破」みたいな感じになると?

山田:そうそう、もともとレアリティが高い選手じゃなくても繰り返して使うことで能力値の上限が伸びて、っていう要素で引退というもののマイナス面をカバーしようと思って今回は。そういう仕組みにしましょうということにしたんですけどね。このあたりはアップデートで色々考えていきます。