――決定力不足という課題をどう変化させるのか。また、チャンスをたくさん作ることを選択するのか、それとも点を取れる選手を選ぶのか?(テレビ東京)
昨日の試合は3バック(だった)。
ただ、選手たちには「3バック」という言葉はあまり使わず、いろんな状況のなかで、3、4、5バックの状況もある。中盤でのアタッカーディフェンスにおいて主導権を握るなかで相手のアタッキングサードを攻略していく。そこからセンター、ワイド、クロスからもチャンスを作っていこうと。中盤での攻防をまず意識させて。
相手のゴールに全て直結させる展開に持っていく必要はない。ある時間はボールを動かして相手の陣形を崩す、スタミナを奪うとか、そういうポゼッションをとらなければいけない。そういうなかでアタッキングサードに侵入して、チャンスを増やしていく。昨日の展開でもそういう状況は作れていたと思います。
常に決定力不足(と言われるが)…ネガティブな部分として捉えることではなく、チャンスを増やしていくことも一つ大きく考えたい。
武藤のように、ブンデスリーガの中で総シュート数は少ないが得点率が高い選手もいる。彼はボックス内での成功率は、数字では少ないが確率的には非常に高い。チャンスが少なくてもゴールできるスタイルの選手。
得点を生む中でチャンスを増やしたいですが、そう想定しているよりは持てないと思うので、そういう中で彼みたいな嗅覚を持った選手というのも必要と考えている。
全体としては、チャンスを増やしていくことが攻撃にとって必要なことだと。
――20日余りのなかで、落とし込む時間は限られている。どういった戦術を考えている?(日経新聞)
自分の中ではたくさん膨らむことは間違いない。
選手を選んでどういうシステム、キャスティング、ゲームの中で、ポジティブなことはたくさん思い描けると思います。それを落とし込むのが難しいことなので。それを選手たちには、同じように描いてもらいたいと思います。
例えばリスタートの形でも、これは日本のストロングでありました。いろんなパターンを想定して、190cmのDF5人に対して日本の選手たちがどう対応できるか、そこ一つだけでもいろんなオプションを持たせたいと思いますし、自分の中で描けますし、変化させて対応する。
あるパターンを全員で共有できれば、(リスタートの中で)おそらく得点が生まれる可能性がある。攻撃でも同じです。いろんなパターンをできるだけ選手たちに共有させ、自然に出るような準備をしなければいけない。
日本人選手たちの良さはそういう対応力が早いというところにあると思います。グループで仕事をすることに対する理解度、共有したなかでのプレーは日本人選手は順応できるので。そういう良さのある選手をセレクトしたというのも一つある。
一つのパターンだけに固執して、一つのシステムのなかでそれだけを求めるよりは、そういうオプションを選手たちにたくさん持たせる。(期間が)短くても落とし込んでいかなければいけないかなと思ってます。