――さて、話は変わりまして、今回は第二戦目で戦うセネガル代表がテーマです。前回同様に簡単に特徴を、そして、日本が付け入るスキを分析して欲しいです。巷では「セネガルは強い」、「セネガルは守備が固い」という話がよくあがっているようですが…。

そういった雰囲気となるのは当然でしょうね。ポーランド戦であのような試合を見せたわけですから。

ただ、これまでセネガルを見てきた人間からすれば、「そんなに急に騒がなくても…」というのが率直な感想ではないでしょうか。

圧倒的な能力をもった選手が強烈ですし、フィジカルコンタクトの強さを活かした「ハメ込み型のゾーンプレス」も彼らの十八番でしたから、改めて驚くようなものではなかったです。

ワールドカップ出場が決まってから行われた強化試合では全く勝てず、本大会直前に行われた韓国との非公開の試合でようやく勝利するなど、得点力不足という問題を抱えていたので、そこが本大会ではどうなるかな…とは見ていましたが。

――その得点力不足という問題ですが、ポーランド戦では二つのゴールがありました。

しかし、いずれも「結果的にはゴール」という表現が正しいものだったと思います。

前述の日本戦と同様、サッカーは勝負の世界ですから「勝てば何も文句はない」という風潮もありますが、勝ったことと問題が解決したことは全く別です。

セネガルの一点目については、マネがポーランドのボランチ二人を吊ったタイミングでグエイが飛び出してきたこと、そしてきっちりシュートでフィニッシュしたことは褒められるべきでしょう。ですが、シュート自体のコースは甘く、チョネクの足に当たってコースが変わったことによる得点でした。

二点目についても、ニアングが自慢のスピードを見せつけたものですが、ポーランド側からすると、ピッチの外に出ていたはずのニアングがあのタイミングで戻ってくるとは思っていなかったでしょうし、「交通事故」にあったような感覚でしょう。

もちろん、あの状況でクリホヴィアクがバックパスするべきだったのか、CBのベドナジェクもGKシュチェスニと連携して対応が出来たのではないか、GKシュチェスニも数的優位でシュートがアバウトなニアングが相手であれば「飛び出さない」というプレー選択もあったのではないか…と、ポーランド側にも指摘するべきポイントはありました。

ですが、やはり、事故的の要素が強いゴールだったと言わざるを得ませんし、少なくとも「再現性のある崩し」でのゴールではないと思います。