まず、マンチェスター・シティは中盤の底に位置するファビーニョへのパスコースを消しながら、果敢なプレッシングを実施。タイミングに合わせてダビド・シルバとベルナルド・シウヴァが前に出て、スターリングがファビーニョ周辺を消すパターンも披露しながら、リヴァプールの自由を奪う。
サネが負傷交代してからも、投入されたガブリエウ・ジェズスが積極的なプレッシングを継続。ダビド・シルバとジェズスがコミュニケーションを取りながら、どちらかがファビーニョへのコースを消していく。
ベルナルド・シウヴァのポジショニングも絶妙で、ファン・ダイクの背後側から追いかけることでロバートソンへの展開を封じる。これもセオリーには合わないかもしれないが、アンカーへの縦パスを封じた局面における効果は大きい。
ファビーニョを消された場合、ユルゲン・クロップには「ヘンダーソンやワイナルドゥムを1列下げる」というチャンピオンズリーグ決勝で採用したオプションもあったが、無理には動かない。
コミュニティシールドで手の内を明かすのではなく、選手自身の判断をベースに対応させたというイメージだろう。サディオ・マネ不在ということもあり、サイドに蹴り込んでセカンドボールを回収するオプションが使えなかったこともあり、リヴァプールのビルドアップは停滞。
唯一サラーの背後を突破口にしながら模索を続けるも、答えを出せない状態が続いた。ただし、前半は受けに徹しながらも、ジョー・ゴメスのカバーリングとファン・ダイクのリーダーシップで耐え切ったことは賞賛すべきだろう。
流れを掴んだマンチェスター・シティは、積極的なフリーランニングをベースにハイラインを攻略。デ・ブライネやベルナルド・シウヴァが裏やハーフスペースに抜け出し、好機を作り出す。デザインされたセットプレーからスターリングが沈め、重要な先制ゴールを奪う。