リヴァプールの見事な修正

後半に入ると、徐々に攻守に走行距離が長かったマンチェスター・シティの前線に疲労の色が見え始める。特にガブリエウ・ジェズスはコパ・アメリカ組ということもあり、強度の高い守備が徐々にこなせなくなっていく。

そうなれば当然、天秤はリヴァプールに傾く。サラーの裏を意識させながら、優勢にゲームを運んでいく。

グアルディオラにとっての誤算は、デ・ブライネをトップ下に変更したことだろう。リヴァプールの得意とするトランジションゲームという土俵に乗り込んだ結果、相手に勢いを与えることになってしまった。

前半のクロップ同様、無理に流れを断ち切るような交代をグアルディオラが選択しなかったことで、リヴァプールがロドリの周辺に生じるスペースから仕掛けていく。

秀逸だったのはアダム・ララーナとナビ・ケイタの投入で、彼らがボールを受けることでリヴァプールはゲームを構築することに成功。

特にナビ・ケイタは前半消されていたファビーニョの横に下がってきてボールを受けるような動きで、4-4-2に近くなったマンチェスター・シティの泣き所を攻略。ベルナルド・シウヴァはサイドバックとケイタの2枚を相手にしなければならない状況が続き、前からのプレッシングは無効化された。

オタメンディを中心に要所は抑えていたものの、リトリートしての守備は不安定で、特にロドリがネガティブ・トランジションの局面でフィルターになりきれない場面が目立った。