マンチェスター・シティの実験的ビルドアップ

ペナルティエリア内でゴールキックを受けられるようになったルールを早速活用したグアルディオラは、実験的なビルドアップを試みる。それが、GKの横にオタメンディを配置したシステムだ。

ボックスの中盤に近い陣形であることから「ダブルボランチ・システム」と簡易的に名付けられていたが、基本的には4枚を置くことで相手のプレッシングを牽制しやすい。

特にストーンズとロドリの位置に選手を送り込むと、その背後に生まれたスペースを使われやすくなるので、仕掛けづらいのが本音だろう。

デ・ブライネやベルナルド・シウヴァを擁するシティ相手では、無策で飛び込むことは失点に直結する。リヴァプールは本来の果敢なプレッシングを自重し、特に前半はマンチェスター・シティが後方でボールを保有することになった。

ボックス状態でプレッシャーを軽減した後、CBの中間にGKのブラボが入り込むような大胆なビルドアップも散見されたように、グアルディオラは積極的に実験を仕掛けていた。