――最後に、今大会の注目選手、「俺のUCL神推し」を教えてください!
個人的にはPSGのマルキーニョスです。
やっぱり彼は上手い。コパ・アメリカのブラジルを見ていても、ネイマールよりもこういう選手のほうがいないと困るという典型的な一人でした。
試合を観ていて、多くの人は点取り屋あるいは10番タイプの選手に目が行くと思います。ただ私が読売クラブでプレーしたころ、味方にいて頼もしかったり相手にしていて嫌だなと感じるのは、マルキーニョスのような選手でした。
センターバックとボランチができ、体はそれほど大きくないですがコンタクトに強く、なにより読みが鋭い。パス出しも無難にできますしカバーリングも的確です。
あとよく言うのは、相手選手との勝負において“引き分け”を知っている。1対1で勝つか負けるかだけではなく、自分がプレーできないけど相手にもプレーをさせない。そういうことができる選手です。
ユヴェントスのジョルジョ・キエッリーニなんかもそうですが、こういうタイプの選手は本当にずる賢い。
だから、マルキーニョスのコンディションが良く、彼がちゃんとプレーできるような前後の絡みを構築できればPSGも面白いですね。私はマルキーニョスはボランチで使ったほうが良いと思います。
こういう選手にぜひ注目してほしいです。サッカーは11人対11人でやりますが、最終的には1対1、個人のところでの相手に対する優位性が重要です。その点で言うと、マルキーニョスの「1」は非常に大きくて、2人分3人分くらいの価値がある。
この選手を見ているだけでもいつも唸るというか、セレソンのときも良い選手だなぁと思いながら見ています。
基本的に現役時代テクニシャンとしてプレーしていたのでテクニカルな選手が一番好きなんですが、テクニシャンの目線で見ていて、すべて読まれているように感じてしまうのがマルキーニョスです(笑)。