――FC町田ゼルビアは7月4日のモンテディオ山形戦がホームでの再開初戦になります。そちらに向けてはやはり普段とは少し違う準備ということになるのでしょうか?

無観客の段階ではまだそこまでストレスはないかもしれません。しかし、いざお客さんを入れるとなったときの対応として、僕らもそこまで体力のあるクラブではありません。

人員の問題であるとか、感染予防に対してプラスでかかる費用の部分は経営的に影響が出てくると思いますので、運営と経営的な側面では早く通常のスタジアムにファン・サポーターを入れられる状況になることを願っています。

――大友社長は10代の頃からFC町田に在籍してきました。何も知らない人に説明するとすれば、FC町田とはどんなクラブなんでしょうか?

サイバーエージェントグループに入る前までは市民クラブを全面に推しだしてきました。ただ、2018年にサイバーエージェントグループに入ったので、考え方や根本は大きく変わらないのですが変化は生まれています。

FC町田自体は1977年にジュニアチームができたのが始まりです。子供たちが作ったクラブと言いますか、ジュニア、ジュニアユース、ユース、そしてトップと、ボトムアップ型でできていったクラブになります。そこが多くのJリーグクラブと異なる点です。

町田は少年サッカーの街であったので、これまでも多くのJリーガーを輩出してきました。現在メインスタンドで観戦されている方も町田の場合はサッカーに携われてきた方が多くて、メインスタンドが試合中、判定やプレーに対してわりと“賑やか”なんです(笑)。

私も子供の頃からサッカーの街で、「FC町田はサッカーが上手い」「魅せるサッカーをして勝つ」という中で育ってきていますので、少年サッカーの街にできたJクラブというプライドは常に持っています。

――そうしたなかで昨年、クラブ名の変更が大きな話題となりました。名称変更はなぜ必要だったのでしょうか?

当時サポーターミーティングの中でも述べているんですが、まずサイバーエージェントのグループに入る際に『東京』と付けることに同意していました。ただ、その議論自体はグループ入りする前からずっとやっていたんです。

もちろん、市民クラブであり、町田という地域に特化しているのでそこを捨てるような気持ちはまったくありません。

ただ、経営の面で都心の大きな企業にアプローチするに当たって、『東京』があれば応援もできるという声もあり、悩みながらも「東京と付けるべきだよね」「ただし町田は外せない」「ゼルビアは愛称としても残せる」。こんな議論があり出した結論でした。社内でも役員会を含めそこは決まっていて、それからのサイバーエージェントグループ入りという流れになります。

しかしサポーターミーティングの場で問題となったのは、『東京』を付けるというよりは『ゼルビア』のチーム名を取るでした。そこは正直、サポーターの気持ちを汲みきれず、『ゼルビア』を取ることに問題ないと判断した私のミスです。