アドリアーノ

アドリアーノはサッカーファンが思い描く“怪物像”をそのまま体現したかのような選手であった。

190cm近い長身でありながらスピードと馬力を備え、あのロベルト・カルロスに匹敵する破壊的なシュート力を持っていた彼は、その圧倒的な存在感から「皇帝」の名を授けられた。

セリエAでの鮮烈な活躍に続いて、2004年コパ・アメリカ、2005年コンフェデレーションズカップでMVPと得点王をW受賞し、ロマーリオ、ロナウドに続く王国ブラジルの新たな怪物になることを誰もが疑わなかった。

左足に偏重したプレースタイルと私生活の問題もあって若くして第一線から姿を消すことになったが、彼があのまま成長していれば…誰しもが想像する“世界線”であろう。