――私もいくつかのクラブのトークンを保有しているのですが、チャットに参加するのが楽しい一方で、何をしたらいいんだろうと思うこともあります。トークンホルダーに何をしてほしいか―。クラブ側としていかがでしょう?

小泉:SHIBUYA CITYのオープンチャンネルでも「応援したいと思っているのですが、運営者さん側は何を求めていますか?」というコメントをいただいたりします。

そこで、これから2ヶ月くらい毎週投票企画を実施しようと思っています。YouTubeで公式番組を始めたのですがそのコンテンツとしてやってみたり、街に掲出するポスターのデザインや、これから迎えるシーズン終盤の大事な試合のハッシュタグ、また「シビット」というクラブの公式マスコットがいるので彼に関するものなど、とにかく参加者の方にたくさん投票に参加してもらう。

投票を行い、結果の発表がされて「このように反映されました」というのが毎週あれば、皆さんがクラブの中に入り運営に携わっている感覚を持っていただけるのではと考えています。

※今年5月、渋谷駅前に掲出されたSHIBUYA CITYのポスター。ビジュアル的なインパクトからトークンホルダーにも効果が伝わりやすい施策だった。

四方:「何をしたらいいか」をユーザーから聞いてしまうのもアリだと思っています。その辺りはある程度オープンにディスカッションしたほうが面白いのかな、と。最初はテーマごとに決めてもいいですし。

と言うのも、「応援したい」ということであれば、クラブとしてはそれこそグッズを買っていただくとかになってしまいます。でも、「参加したい」「意見を言いたい」といったことであれば、アイデアを提供していただく段階から関わっていただくことができると思うんです。

クラブの中の人間ではなく、少し外側から、僕らよりも客観的でファン目線の方から「こんなグッズが欲しい」といったアイデアをいただく場としても活用できれば、と。「プロセスエコノミー」という言葉がありますが、まさにそれを地で行っていると思います。

コミュニティの中でも少しずつ動き出しています。それも、「グッズのデザインを投票で決めよう」といったことはこれまでもありましたが、ファンの方から「鎌倉インテルはクリエイターの方がすごく凝っているから、ファンからあまり言わないほうが良いのでは?」といった声も出てきたりして。

そういう風に感じてもらっているんだと新鮮に感じました。「デザインよりも、何のグッズを作るかを決めるのはどうか」といった声をいただいています。

※すでに「鎌倉インテルビール」のラベルデザインの投票などが実施されている鎌倉インテルのコミュニティ。初回トークンの購入は9月12日まで。

――FiNANCiEとしてはその辺りどのように感じていますか?

田中:結局はエンターテイメントなので、色々な遊び方を作っていってほしいと思っています。弊社の中心メンバーは、私も含めもともとゲームを作っていました。FiNANCiEに関しては我々で作ることもそうなのですが、どちらかと言うと皆で作っていく。それが楽しさにつながると感じています。

新しい楽しみ方をどんどん見つけていただき、我々は仕組みを整備する。いかにストレスなくアイデアを実行していけるかや、ファイナンスの部分はやはり重要なのでそこを最大化する方法などを提供していくことが我々の仕事だと思っています。