――質問コーナーでは守備について、相手を待つのではなく、日本代表時代に当時のヴァイッド・ハリルホジッチ監督から学んだという「ボールを奪いに行くことの大切さ」を強調していました。
おそらく要求するにしては難しい年代だとは思います。ただ、頭の片隅に「そういえば、守備で大事なことはボールを奪いに行くことだと槙野が言っていたな」と少しでも残っていればいいんです。
それを少しでも実践してくれれば、意識やプレーが変わってくると思います。何かのきっかけになればいいかなと思っています。
――槙野選手は彼らと同じ年齢の頃、どんな子供でした?
何も考えず、とにかく「プロサッカー選手になりたい!」と大口をたたいていましたね(笑)。
――そんな10代の頃のサッカーとの向き合い方というか、今考えるとこれはやっておいたほうが良かったなということは何ですか?
イベントの途中でも言ったんですけど、サッカーボールを触ることです。
やはり小さい頃にどれだけボールを触るかによってプレースタイルは変わってきますし、技術も全然変わってきます。大人になってたくさん練習したところで、子供の頃にボールを触る回数に比べると全然進歩が遅いことを実感しています。
できるだけ小さい頃からボールを触り、どういう選手になりたいか考えることが大事だと思います。
――トレーニングのやり方を伝える時は「これは、川崎フロンターレの選手もやっている」など具体例を挙げているのも印象的でした。
誰がやっている、どこのチームがやっていると具体的な名前を出すほうが子供たちにすごく響くと思いますし、「僕もやらなきゃ」という心理になると思うんです。そういうところも含めてうまく伝えるようにしています。
――槙野選手にとって、2021年はどんな一年でした?
色々なことを経験した一年でした。めまぐるしく環境が変わり、僕自身チームを退団することにもなりましたし、スターティングメンバーから外されることもありました。そういう意味ではすごく変化する年ではありましたね。
――変化の多かった一年、槙野選手はどのように歩んできたのでしょう?
子供たちにも言ったのですが、逆にそういう時間を大切にしたいなと思っていました。これまでそういう経験をすることがあまりなかったので、自分が次に生かせられるような時間やプレーをするためには、といったことを常に考えていました。