バトンを受け継いだ新監督の手腕が光る

ここまで2位と好調をキープする大きな要因が、今季より指揮を執る松橋力蔵監督の存在だ。

コーチから昇格する形で、前任のアルベル氏からバトンを受け継いだ新指揮官は、前任者が築いたスタイルを日々アップデートさせながら、攻守に完成度の高いチームを作り上げている。

(就任会見での松橋力蔵監督)

攻守のコンセプトは、アルベル時代から不変だ。攻撃時はセンターバックとボランチを中心とした丁寧なビルドアップから流麗なパスワークで崩していく。

その特長がいかんなく発揮されたのが、第17節・横浜FC戦での2点目のシーン。

敵陣にて細かなパス交換とダイレクトプレーで相手守備陣を翻弄すると、最後はペナルティエリア内に侵入した小見が右足で冷静にゴールへ流し込んだ(動画は1:36~)。

選手間の距離が絶妙だったこの崩しはまさに理想とする形で、組織的な攻めはリーグ屈指の破壊力を誇る。

守備では、ボールロスト後に積極的なプレスでボールを奪い取り、再び攻撃に繋げる形が基本的な約束事となっている。この“即時回収”が難しい場合は、コンパクトなブロックを構築し、粘り強いディフェンスで耐え忍ぶ。

イレブン全員が守備のタスクを怠ることなく、集中力の高いハードワークが徹底されており、ここまでの16失点はリーグ2位タイの数字。ポゼッションに目が行きがちだが、失点の少なさも好成績に繋がっている。