クラブユース選手権では気温44度の中で試合を開催
一方で、過酷な状況下で行われた試合もあった。今月27日午前8時46分から開催されたクラブユース選手権ラウンド16の横浜F・マリノスユースと横浜FCユースの一戦(会場は群馬県・伊勢崎市華蔵寺公園陸上競技場)では、気温44度を記録する中で試合が行われた。
また、この日群馬県内で気温40度以上を計測した試合は前述した1試合を含めて計6試合あった。生命の危機に直面する可能性がある状況下での試合開催は、ナンセンスの極みだ。
日本サッカー協会(JFA)の熱中症ガイドラインによると、
・WBGT=31℃以上となる時刻に、試合を始めない(キックオフ時刻を設定しない)。
・WBGT=31℃以上となる時刻が試合時間に含まれる場合は、事前に『JFA 熱中症対策<A>+<B>』を講じた上で、試合日の前日と翌日に試合を行わないスケジュールを組む。
と規定している。
このWBGTとは熱さ指数ともいい、環境省の熱中症予防情報サイトによると
暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)は、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。 単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、その値は気温とは異なります。 暑さ指数(WBGT)は人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標です。
と記載してある。
同情報サイトによると、WBGT=31℃は気温(参考)35度以上と書かれている。JFAの熱中症ガイドラインには、このWBGT=31℃が試合開催可否の基準となっている。だが、今月27日に開催されたクラブユース選手権の6試合は気温40度以上を計測している。
横浜FMユースと横浜FCユースとの試合では、試合前のWBGTが32.2℃(ガイドラインでは試合を始めていけない基準を超えているが…)で、ハーフタイムは33.3℃を記録しているため、明らかにガイドラインから逸脱した気温下で試合が開催された。
仮にガイドラインから逸脱した気温下で万が一の事態が発生した場合、主催の日本サッカー協会、日本クラブユースサッカー連盟はどう責任を果たすのか。このような危険な状況下で試合を開催した説明責任を果たすべきだ。