筑波大で出会った偉大な先輩、ライバルたちの刺激
高校時代は高円宮杯プレミアリーグEASTでは21得点を奪って得点王に輝くも、強力な前線を保有するトップチーム昇格は叶わなかった。内野は高校卒業後に大学サッカー屈指の名門である筑波大へ進学。筑波大ではルーキーながら関東学生1部13試合9得点で新人王を勝ち取る活躍を披露した。
先輩との出会いやプロの舞台で戦うライバルたちの刺激が自身の成長につながっている。
――蹴球部で1番伸びたと思う部分を教えてください。
サッカーに向き合う姿勢ですかね。そこが大学で1番伸びたかなと思います。
――具体的にいうと、高校時代と現在と比較してどういった違いがありますか。
高校時代も練習するときは向き合っていましたけど、それ以外のところはそんなサッカーのことをいまほど考えていませんでした。
例えば睡眠も何時間寝ればいいやという感じだったんですけど、筑波でシーズンに入ってからは全部サッカーに繋がるような行動をしようと考えています。パフォーマンス向上について“ピッチ外”のところでより深く考えるようになりました。
――仲間や先輩の姿勢を見てそういった考えに変化しましたか。
そうですね。仲間も意識高いです。色んな専門家の人と出会ってそういうことをやった選手が上に行くというのは強く感じていたので、やり始めました。
――横浜FMに2026年に内定している諏訪間幸成選手の存在は大きかったですか。
自分が筑波に入学したのは諏訪間くんの影響が大きかったです。FWとセンターバックなのでマッチアップする回数も多いですし、プロに内定している選手と日ごろからマッチアップできるところはすごくいい環境だと思います。
――昨年主将を務めた山内翔(かける)選手(現ヴィッセル神戸)は意識が高い選手ですよね。
そうですね。翔くんは去年すごく良くしてくれました。
いろんなところにご飯連れていってくれたり、いろんな話をしてくれましたね。自分としては去年1年間で翔くんがいてくれたことはすごく大きかったです。
あと去年自分の調子があまり良くなかった時期に、翔くんに喝を入れられたというか、翔くんが真剣に話をしてくれたときがありました。
自分が点を取れなくて、試合のときとかでも自分のゴールを取ることに気持ちが向きすぎていたりして…。自己中心的なプレーになっていました。
そのときに翔くんから「いまのお前はチームに必要じゃない」と言われました。自分としてもすごく苦しい時期だったので、その言葉がすごく刺さりました。もっと自分の力を伸ばさないといけないとすごく感じたときがありました。
――山内選手の人間力すごいですね。1年生と4年生の関係でそこまで真剣に向き合うってなかなかできないと思います。
そうですね。先輩がすごく優しいですし、温かいなと感じています。翔くんはすごく尊敬しています。
――昨季に関東リーグ1部新人王を受賞されました。この受賞についてご自身をどう評価されていますか。
新人王を目指していたわけではないんですけど、去年1年間筑波で出た試合で評価してもらえたことはうれしいです。自分のプレースタイルの特性上チームメイトがいなければこの賞を取れていなかったと思うので感謝したいです。
――得点王を逃したことについては悔しさがありましたか。
そうですね。去年は得点王を最初から目指していたので、そこが悔しかったですね。離脱してしまった(昨年11月のアメリカ遠征で左内側靭帯を負傷)ことが1番大きかったかなと思います。
――筑波大は昨年関東一部を制覇しましたが、インカレ、総理大臣杯と長らく全国大会優勝から遠ざかっています。久しぶりの日本一を取るためにどのような意気込みで今後の大学サッカーに挑みますか。
筑波はカップ戦だとあまり勝てないと言われているので、自分の力でなんとか筑波を勝たせられるように頑張りたいと思います。
U-23アジアカップでカップ戦のチームの作り方というか、チームの成長の仕方を間近で見たのでチームに少しでも還元できればいいと思っています。
――話変わって同学年の福田師王選手、1学年下の後藤啓介選手はすでにヨーロッパでプレーしています。彼らから刺激を受けていますか。
刺激は受けていますね。同じ世代、自分より下の世代の選手が海外でやっている中で、自分はプロでもない大学生なので。少し焦りというかそういうのもあるのかと思います。
――同い年で慶応大の塩貝健人選手が横浜FMに内定しました。刺激は受けましたか。
去年から一緒にプレーする回数もありましたし、去年の代表のフランス遠征のときや今年のデンソーカップも一緒にやりましたけど、刺激は受けています。
――ご自身も早く特別指定でゴールを決めたいといったイメージはありますか。
そうですね。塩貝だけじゃないですけど、同世代の選手がプロで試合に出場して、結果を残しているところを見て「自分も早くプロでやりたい」とは思います。プロとアマチュア、大学で違いますけど、プロの世界は常に日頃から想像しながら大学でもやりたいと思っています。