リーグ平均を下回るスタッツで首位

アンドレ・ブライテンライターは1973年生まれの40歳、監督としては若い部類に入るが「青年監督」と呼ばれる監督の多くが20代から指導者の道を歩んでいるのに対して、36歳まで現役を続けていた。2013年にパーダーボルンを指揮するまではユースチームや4部リーグのより小さなチームでしか指導経験がなく、同年3月にDFBの養成コースを修了したばかり。まだまだ監督としての道を歩み始めたばかりといっても過言ではない。

現役時代、ハンブルガーSVやヴォルフスブルク、ハノーファー96などに在籍経験を持ちフォワードとしてプレーしたブライテンライター、今でも練習中に選手の良いお手本になっている。 昨季63得点(リーグ2位)をあげた攻撃サッカーが売り、特にホームでの圧倒的な強さが魅力的だ。ブライテンライターが指揮する前の12-13シーズンには5勝6分6敗だったホームでの成績は、昨季が8勝4分5敗(ケルンに次いでリーグ2位)、今季も1勝2分と上々の出来だ。

一方で、守備は48失点と2部リーグでも安定していたはいいがたい。それゆえに昨季前半戦は最下位も経験するなど順位があがらなかったが、選手補強が功を奏しウィンターブレイク後は16失点と落ち着いたことで勝利を重ねた。今季も2、3、4節と無失点に抑えており、守備からの素早いカウンターも武器にしている。何せ4試合を終えてバイエルンがボール支配率66%なのに対して、パーダーボルンは僅か39%、それでも1試合あたり12本以上のシュートを放ちきっちりと得点をあげているのはカウンターが機能している証拠だ。


スタッツだけ見ると、パス成功率、1vs1勝率などいずれもリーグ平均にすら及んでいない。それでも首位に立っているのは、効率的に機能している証拠だ。

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ハノーファー戦ではMFモーリッツ・シュトッペルカンプのブンデスリーガ記録となる83m弾を記録した。ブンデスリーガでは終盤に劣勢のチームがセットプレーでGKまであげての総攻撃をしかけることは多いが、ボール奪取後にきっちりと得点に結びつけることは意外にも多くない。組織と個の力、そして一滴の運がチームを後押ししている。

ちなみにシュトッペルカンプはハノーファーに在籍経験を持ち、古巣相手に存在を見せる得点となった。今季、チームに加わると左サイドのウィングとして攻撃を活性化させている。他にもチームの所属選手を見てみよう。