人気マンガ『キャプテン翼』の主人公である大空翼は、少年時代何度もボールを使いつぶしたらしい。
そのエピソードはワールドユース編のレセプション・パーティー、メキシコ代表GKリカルド・エスパダスとの会話のシーンで明かされており、後に奥さんになる中沢早苗も、大空家の物置の中に翼が使いつぶしたボールがいくつもあることを知っていた。サッカー少年であれば、誰しもサッカーボールの1つや2つを使いつぶしたことくらいはあるだろう。
そんな少年たちの悩みを解決し、延いては世界中の少年たちをスマイルにするサッカーボールが話題になっているらしい。
ナイフで刺しても・・・
トラックで踏んでも・・・
すぐに元通りの形に戻るこの球体。
摩訶不思議なこのボールこそ、今回ご紹介する“最強"のサッカーボールなのだ。
こちらは、どんなことがあっても決してパンクすることのない幻のサッカーボールである。"One World Football"というプロジェクトが開発を進めるものだ。
戦争で荒廃した土地で少年たちが遊ぶドキュメンタリーを見て、アメリカのティム・ジャーニゲン氏が考案したというこのボール。
ナイフを刺してもトラックで踏んでも破れないため、物資に乏しく厳しい環境にある少年たちでも半永久的に遊ぶことができる。これなら、アマゾンで育ち樹皮を丸めてサッカーボールを作って遊んでいた少年ナトゥレーザも喜ぶに違いない!(マニアックすぎ?)
開発には20万ポンド(およそ3500万円)もの研究費用を要したようなのだが、これらの目的はそういった子供たちに支給するため。
プロジェクトは2010年に立ち上がり、2年が経過し『シボレー』と無事スポンサー契約を結んだのだそう。そのおかげもあって、現在では世界150万もの子供たちに配布されているのだという。
子供たちを幸せにしたのは、男たちの“想い"だった。
グラウンド整備され、戦争のない日本では目にすることもないかもしれないが、私たちの知らないところではハートフルな開発が進んでいたようだ。
なお、このボールはエチレンビニールという特殊素材で作られており、ちょうどあの「クロックス」に近い材質なんだそう。子供たちの足も痛めない、とことん優しいボールであるようだ。